おはようございます。九条です。
peing.net で非常に良い質問をいただきました。
ご質問いただいた方にはお礼を申し上げます!ありがとうございます!
プログラミングが忙しいのですが、非常に良い質問なので優先して回答させていただきます。
質問:ブログを見させていただきました。Y軸の勉強法については衝撃を受けました。ここまでしないと合格できない試験なのかと。実際にこの方法は予備校では教えられていませんし、このような方法論を書いてある書籍もないと思います。であれば合格者は皆この方法を自力で編み出しているのでしょうか?
今回はこの質問に回答していきます。
文字数が多くなるため、こちらでの回答となりますが、ご了承ください。
参考記事
回答
質問の前半部分
まずはご質問の前半部分です。
ここまでしないと合格できない試験なのかと。
結論を先に申し上げておくと、実は、ここまでしなくても一応合格できます。
過去問中心の勉強で合格したと自称される方もいますし、記述挽回という方法もあります。なので、私は自分の方法論を絶対の正解だとまでは考えていません。
ただし、絶対に記述挽回できるという自信が無いのであれば、運の要素が絡むことになります。(個人的に絶対に記述挽回できるという自信がある方は居ないと思っています。それは記述挽回には、択一基準点割れのリスクが付いて回るからです。つまり、択一の実力が低く、択一に不安を抱えた状況では、そもそも記述を採点してもらう段階に進めない可能性があるということです。)
竹下貴浩先生の発言だったと思います。
司法書士試験の問題が違うと合格者の半分ぐらいの合否は入れ替わる。そのくらい問題との相性の影響を受ける。
こう言う趣旨の発言だったと思います。(間違っていたら申し訳ございません。)
言い方を替えると、合格者の半分は、失礼な言い方かもしれませんが、必ずしも合格すべくして合格しているわけではなく、運の要素もあって合格していると言えます。一方、上位合格している人は、運の要素を排除して合格しており、問題が変わったとしても影響を受けません。(少なくとも択一については、です。記述はどんなに努力しても運の要素があると言うのが私の考えです。)
「プロフィール」を見て頂きたいのですが、私は全国 109 位で上位合格しています。このくらいの成績で合格できる実力があるなら、どんな問題が来ようとも確実に択一逃切を取れるという自信が付くレベルになれます。
そのため、真面目に司法書士試験に取り組むのであれば、「真ん中よりも下の成績でも良いから合格できればいいや。」と考えるのではなく、「上位合格してやる!」という決意が必要だと思います。
前者の気持ちで受験する人は、運の要素に翻弄されますから、受験を長期化させてしまう恐れがあります。
例えば 50% の確率で合格できるレベルの知識を持った方は2回の受験で合格できるとは限りません。数学の確率の話を思い出して欲しいのです。詳しい計算方法は説明を省きますが、50% の確率で合格できるレベルの知識を持った方が2回以内で合格できる確率は 75% しかありません。
この数字の勘違いも、受験を長期化させる原因となり得ます。
これは余談ですが、例えば50%の確率で合格できるレベルの知識を付けて、ギリギリ合格に及ばなかった場合、2年目は油断して手を抜いてしまい、2年目も不合格に成る人もいると言われています。
前置きはこのくらいにして、話を戻します。
私が紹介した方法論は、択一逃切を確実に取り、運の要素を可能な限り排除して合格したい場合に必要な勉強方法だと考えています。そのため、ここまでやらないと合格できないのかと問われれば、必ずしもそうとは言えないのですが、おそらくここまでやらない人は、よほどの幸運に巡り合えない限り、受験を長期化させることになります。
これも余談なのですが、同期合格者に商業登記法の登録面免許税の記号まで覚えていた人がいました。覚える必要が無いとされる(ワ)(カ)(ツ)の記号まで全部覚えていると言うのです。この方は全国 40 位台で合格したと自称されていたと思います。私もそこまでは記憶できていなかったので、こいつ廃人だな、と思ったのを覚えています。
質問の後半部分
次に質問に後半部分です。
実際にこの方法は予備校では教えられていませんし、このような方法論を書いてある書籍もないと思います。であれば合格者は皆この方法を自力で編み出しているのでしょうか?
教えている予備校、講師は存在すると思います。
仮に予備校で教えていないのであれば、その予備校や講師ははっきり言ってダメです。生徒の受験期間をいたずらに長期化させてしまう可能性があります。
【司法書士試験】本試験より難しい問題を解くことの必要性④の記事からの引用になりますが、予備校や講師は次の事項を説明すべきです。
●完全暗記の必要性そのものを説明する。
●テキストを読み込むだけでも理解できる分野(暗記が必要ない分野)を明らかにする。(y軸の意味で難しい問題を解く必要が無い分野もあります。)
●完全暗記までは必要ないが暗記が必要な論点を指摘し、覚えるべきポイントを明らかにする。言い方を変えるならば、問5のような問題(y軸は高いが易しめの問題/会社の解散原因)を出題する。
●完全暗記が必要なのはどの分野なのかを説明する。言い方を変えるならば、問6(ある分野の論点を全て説明)を、解けるようにならなければならない分野を明らかにする。
こういうことを説明している予備校や講師、方法論を書いてある書籍も存在すると思います。
例えば、松本雅典先生です。私も立ち読みした程度で熟読はしていないので詳しいことは存じ上げませんが「テキストでアウトプットする。」という発想がそうです。
実際、松本雅典先生はブログでこう言うことを発言されています。
持分会社の学習においては,定款の絶対的記載事項と登記事項を九九が言えるレベルにしてから話が始まります。
(参考)https://sihousyosisikenn.jp/archives/7012052.html
余談ですが、私は現時点で九九が言えるレベルでこれらを言えません。受験生時代は言えていました。(勉強しないとドンドン忘れるんですね…。)
また、【司法書士試験】自作教材のコンセプトにも記載しています。方法論ではありませんが、y軸の意味で難しい問題を、直接的に網羅した問題集も存在します。「直前チェック」がまさにそうです。ただ、この書籍は最強ではないかと思う反面、難しすぎて私でも、ここまでやるのか?と思うレベルになっています。
最後に、「合格者は皆この方法を自力で編み出しているのでしょうか?」という問いに対する回答ですが、ダメな予備校や講師を利用されている方、または独学の方は自力で編み出していると思われます。私も早い段階で、誰に習うでもなく、こうした勉強方法が必要なことに気が付きました。
なお、y軸の意味で難しい問題を網羅した問題集が存在しない(存在しないわけではないが、「直前チェック」は難しすぎて使い難い。)ため、こうした問題集の代替となるような方法を考えなければなりません。私の開発した教材がそういう問題集になる予定なのですが、まだ完成していない物を使ってくださいと言うのは無責任すぎるので、そうは申し上げません。代替となるような方法については後程記事にさせていただきます。
回答は以上です。ご質問いただきありがとうございました。
コメント
早速のご回答ありがとうございます。
また詳しく記事にしていただきありがとうございます。
質問以上の回答をしていただき、かなり助かります。
上位合格レベル(200位以内合格)の実力がないと単に合格レベルの実力があっても
運が絡む試験(50%の確率で落ちてしまう)になってしまう。
それで合格を確実なものにするためにはy軸の勉強法が必須ということですね。
納得できました。
y軸にもレベルがあり、突き詰める必要がある分野とそうでない分野の分別が必要。
つまりMAXレベルが(問7)として、そこまでいかなくても(問5)、
分野によっては(問6)のレベルでの突き詰めが必要だということですね。
確かによくよく考えると(問5)レベルの指摘は予備校やテキストでされていました。
例えば「親族分野で遡及効がある物はどれか?」もこの部類に当てはまると考えます。
また(問6)に関しては過去問などを解く過程で、事例を変えると無限に作れてしまう問題
を自身で直感し、その分野での対策する必要があると思いました。
例えば「民法の取消しの分野の論点を全て説明せよ」などが当たると考えています。
(こちらは自信がありません)
模試の分析をしていると、単純に暗記しているだけでは解けない問題があることが判明し、
分野そのものの説明をできるレベルまで知識の質を高める必要性を感じていました。
この(問5)(問6)についての学習がどこまでできるかが試験の結果を大きく左右するという認識が強くできましたので、そこを意識して学習を進めていきます。
またいくつか質問ができましたので、質問箱の方に投げさせていただきます。
もしお時間があり、回答の必要があれば、ご回答していただけたら幸いです。
長文失礼いたしました。