(レビューと感想)魔法少女まどか☆マギカ(まどマギ)『★★★★★(星5)』 ~まどマギとはどんな作品か?~

5.0
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<2022/06/02 更新>

記事に大幅な加筆を行い、更新しました。


おはようございます。九条です。

今回は「魔法少女まどか☆マギカ」(通称:まどマギ)のレビューをさせていただき、感想について言及します。

「魔法少女」というタイトルから子供向けのライトな作品を連想させますが、作品の内容はタイトルから受ける印象とは全く異なっています。

実は、魔法少女まどか☆マギカのレビュー記事にどの程度需要があるを Twitter でアンケートを取ったのですが、皆さん、全く興味がないようでした。

ただ、私の Twitter のフォロワには法律を勉強している人がたくさんいます。

まどマギは法律(法学)について考える上でも重要な意味を持ってくる作品だと思っています。

偏見かもしれませんが、法律(法学)を好きな人には、まどマギを好きな人も多いと思っています。

もしかすると、まどマギに興味が無いというよりは、既に知っているという人が多かったのかもしれません。

色々考えたのですが、本 Web サイトでも取り扱うことにしました。

まどマギはネタバレ無しでレビューすることが非常に難しい作品でもあります。レビューと言うよりはあらすじの解説になっている記事も多いです。

そのため、ネタバレ無しのレビュー記事を書くことは意味があると思ったため、そのような方針でこの記事を書くことにしました。

※ただし、ネタバレ無しと言っても全くのネタバレ無しは無理です。この作品を視聴することが確定している人は、見た後にこの記事を読んだ方が良いと思います。

この作品の特徴として、開発陣の構成がそうそうたる顔ぶれで注目を集めたと言うこともあるのですが、その点については他の方が記事にされていますし、省略したいと思います。ただ、ひとつだけ言っておくと、この作品のシナリオライターは虚淵玄さんという方です。私自身は未プレイですが、この方は、18禁エロゲ―のシナリオを多数書いていて、そちらから入ったファンの方も多いと思います。

虚淵玄さんの作品と言えば、Fate/ZERO が少し前にヒットしました。かなり救いのない展開ですが、これが虚淵玄さんの作風らしいです。まどマギもバッドエンドと言われ、救いのない展開と扱われることがありますが、これは解釈の問題です。個人的には、まどマギはハッピーエンドではないにしても、これ以上ないぐらいのグッドエンドだと思います。

なお、まどマギは10年以上前の作品ですが、最近になって続編の開発が発表され、注目を集めていますし、私も続編は非常に楽しみにしています。また、最近ではまどマギ10周年で、Twitterで話題になったこともあります。

まどマギにはいろいろな派生作品が存在しますが、本記事では、主に10年以上前のテレビアニメ版のお話をします。

本記事の対象読者

  • 純愛物の作品、法哲学的なテーマを持つ作品のアニメを、見たくて探している人。(特に司法書士試験の受験生にお勧めします。)
  • まどマギを見ようかどうか迷う人。まどマギがどういう作品なのか、できるだけネタバレを避けて知りたい人。
  • まどマギを見て面白かったので、他の人の解釈や感想を知りたい人。
  • まどマギを見たけど何が面白いのか分からない人。
    (本記事を読んでも面白いと感じるようにはならないかもしれませんが、面白いと感じる人はこんな視点を持っているのか。と感心はすると思います。)

評価点数

文句なしの★★★★★です。5点満点中5点です。

色々なアニメ、ゲームに接していますが、その中でもストーリーは最高傑作と言っても良い出来栄えになっています。

私はファイナルファンタジーの大ファンで、特にⅢが好きなのですが、ゲームやアニメに本気で感動したのが、ファイナルファンタジーⅢ以来久しぶりと言っても過言ではありません。ジャンルの違う作品を単純に比較はできませんが、ファイナルファンタジーⅢに匹敵する歴史のオーパーツだと思います。

ちなみに、Wikipedia によれば、ファイナルファンタジーの開発総司令官の坂口博信さんもまどマギのファンだとのことです。

※ただし、Wikipedia にはネタバレがあるのでご注意ください。

魔法少女まどか☆マギカ – Wikipedia

アニメに興味のある全ての人にこの作品をお勧めする

英語の Wikipedia の記事ですが、「アニメに興味のある全ての人にこの作品をお勧めする」とまで書かれています。

Scott Green of Ain’t It Cool News called the series “hugely admirable”; he praised the animation team’s attention to detail, stating that the series “would not work nearly as well if the characters in general and as magical girls specifically weren’t presented so spectacularly winningly by the production”. Green also said he would highly recommend Puella Magi Madoka Magica to anyone with an interest in anime.

Puella Magi Madoka Magica – Wikipedia

※ただし、Wikipedia にはネタバレがあるのでご注意ください。

ズバリ何が面白いのか?

まず、この作品についてよく指摘される点として、一見かわいいアニメを思わせるのに、実際には、非常に残酷かつ陰鬱な展開をすることがあります。言い換えれば、子供向けを装った大人向けの作品です。

これを象徴する展開として第3話の衝撃性が語られることもあります。

ただし、私は、このことはこの作品の本質部分だとは考えていません。

本作品を一言で言ってしまうとすると、百合(女性同士の恋愛)を扱った「純愛物」だと言えると思います。

私がこの作品の本質だと特筆しておきたいのは次の点です。

  • 普通の女子中学生が殺し合いの世界に巻き込まれるというお話の特殊さ。
  • 「暁美ほむら」というキャラの特異性。
  • エンディングの壮大さ。
  • 純愛物であること。

普通の中学生が殺し合いの世界に巻き込まれるというお話の特殊さ。

この作品には、昨日まで普通に生活していた中学生が、一歩間違えば死ぬという殺し合いの世界に巻き込まれるという特殊さがあります。

私が子供の頃、バトルロワイヤルという映画作品が注目を集めました、その作品にも「昨日まで普通に生活していた中学生が、一歩間違えば死ぬという殺し合いの世界に巻き込まれる。」という性質はあります。

そのため、この点だけを持ってそれほど新規性があるとは言えないのかもしれません。

しかし、本作品ではキャラクタの心理描写に焦点が当てられていて、ごく普通の女子中学生が、そのような極限状況で、何を考え、どう行動するのかが、非常にリアルに緻密に描かれています。

もちろん、私にもそんな経験(殺し合いの経験)はありませんが、これを(おそらく)想像で書いてしまった、作者さんの感性は素晴らしいと思います。

「暁美ほむら」というキャラの特異性。

暁美ほむらは、この作品の事実上の主人公だと言えます。特に、続編にあたる「叛逆の物語」では、暁美ほむらに大きくスポットライトが当てられます。このキャラに感情移入できるかどうか、このキャラを好きになれるかどうかで、この作品の評価が変わってくると思います。

なお、管理人がこの作品で最も好きなキャラも暁美ほむらです。他のアニメやゲームを射程に入れてもトップクラスに好きと言っても良いかもしれません。

暁美ほむらは、序盤ではクールかつ機械的に見えるのですが、物語の展開が進むと、全く別の面が見えてきます。

このキャラクタの魅力は色々とあるのですが、詳しいことはネタバレになるため書けません。簡単に言っておくとすると、物語の展開が進むにつれて、人間的な「執念」と「一途」さが照らし出されていくキャラです。

実は、私は過去に恋人と音信不通になったことがあります。それで、私は1年以上、この方から連絡が来るのを待ち続けたのですが、その間、死んでしまったのではないかとか色々心配しながら待っていたので、非常に辛かったのを覚えています。

※私のリアルの恋愛事情については需要がありそうなら、別の機会に記事にします。

これがまさに「執念」ではないかと思いますが、この行動は、ちょっとした狂気をはらんでいます。暁美ほむらの行動は、私のそれを、はるかに上回る壮大な狂気をはらんでいます。では、暁美ほむらが単に狂ったキャラかと言えばそうではなく、この作品は、既に述べた通り、「昨日まで普通に生活していた中学生が、一歩間違えば死ぬという殺し合いの世界に巻き込まれる。」という特異性があります。暁美ほむらは、その極限状況を考慮するなら、狂気ではなく、むしろ人間的で良心も理屈も通った行動をしており、個人的には強く感情移入してしまいました。

また、暁美ほむらの言動は、ある人物への想い(私は恋愛感情と解釈しています。)に裏付けられています。そして、恋愛感情を成就させるためというよりは、大事な人を護るために尋常ではない狂気がかった執念を見せます。その姿が非常に一途で、視聴者の心を大変打つものになっています。一途さという意味では、私はこれ以上のキャラは存在しないと思っており、その意味で唯一無二のキャラです。

※もっとも、殺し合いの経験と同様、現実に暁美ほむらと同じ経験をしている人間も存在しないはずなので、リアルも感情移入も無いのかもしれませんが。

エンディングの壮大さ。

これについては、詳しいことはネタバレになるので書けませんが、記事の後半の方で少しだけ説明します。

この作品のエンディングはとにかく壮大で、感動する作品になっています。

エンディングは、宗教的な観点や哲学の観点から、様々な考察がされています。

Wikipedia の引用です。

本作の内容は、平凡な主人公が救世主に至るまでの成長物語として捉えられることがある。評論家の宮崎哲弥は、希望が絶望を生み出す本作の世界構造を仏教の因果に例えた上で、世界構造を熟知した功利主義者であるキュゥべえに対して「凡夫であるまどかが菩薩や如来への階梯を駆け上がっていく成長物語」であるとした。

魔法少女まどか☆マギカ – Wikipedia

※ただし、Wikipedia にはネタバレがあるのでご注意ください。

私は、法律(法学)という観点から考察しています。

純愛物であること。

繰り返しになりますが、本作品を一言で言ってしまうとすると、百合(女性同士の恋愛)を扱った「純愛物」だと言えると思います。

この観点からも感動したのを覚えています。見た後に純粋に綺麗な気持ちになって、見て良かったと思える内容です。

私は、それほど百合に惹かれる者ではありませんが、それでもこの作品には感動しました。

実は、純愛物と呼べる作品自体がゲームやアニメというジャンルでは珍しいです。

純愛物の作品は通常は純文学小説というジャンルで表現されるかと思いますが、それをアニメで表現したことにも新規性があります。

純愛物で、話題を呼んだ作品として他に「空の境界」を挙げることができます。空の境界は純愛物の純文学小説をライトノベルで表現した作品と指摘されることがあります。もし、空の境界の結末が好きならまどマギも楽しめるかもしれません。

※「空の境界」は まどマギと同一作者の作品である「Fate/ZERO」の原作となった「Fate/stay night」の作者である奈須きのこさんの作品です。

エンディングはどう壮大か?

私は、法律(法学)の観点から考察しています。

私のハンドルネームは九条で、これが憲法九条に由来することはプロフィールに書いていますが、私は護憲派の思想を持っています。

憲法については今色々と議論が行われています。

その中には、「この憲法は戦後占領下においてGHQから一方的に押し付けられたものである。」というものがあります。

こうした考えを私は全面的には否定はしませんが、少なくとも日本国憲法というのは、歴史を見るに、第二次世界大戦の多大な犠牲の上に成り立ったものです。もっと言えば最高法規の章の97条の「人類の多年にわたる自由獲得の成果」であるわけです。故に、ただの条文の集まりに過ぎない憲法が尊いのだと思います。

そのため、新たな秩序を打ち立てるには壮大な犠牲と物語を必要とするのであって、憲法の精神を重んじることは、人類の多大な犠牲に対する追悼の意味合いがあると思っています。

実は、私は中学生の頃にこれを知って感動したのを覚えています。

まどマギものエンディングもこれを彷彿とさせるものです。詳しいことはネタバレになるので書けませんが、壮大な物語と犠牲の末に新たな秩序が打ち立てられるという構成を取ります。

実は、これが直接の理由という訳ではありませんが、司法書士試験に挑戦しようと思ったきかっけのひとつにまどマギがあります。まどマギを見たことで、憲法に触れたときの昔の感動を思い出してしまいました。

第3話まで一気に見ましょう。

本作は序盤の展開が子供向けを連想させます。しかし、これは第3話で転機が訪れます。

序盤の展開が退屈に感じる人でも第3話から強烈に引き込まれると言うこともあるかもしれません。

子供に見せても良いか?

この作品を子供に見せて良いかというのがよく話題になります。

それはグロいからとか陰鬱だとか言うのが理由で、レンタルビデオに「この作品は子供向けではありません。」の注意書きがされたことがあるほどです。

しかしながら、グロいと言っても露骨な流血表現があるわけではないですし、それで言えば風の谷のナウシカやもののけ姫のような古いジブリ作品の方が、もっと子供にはお勧めし辛いのではないかと思いました。

※ただし、人が死ぬ展開はあり、しかもこの作品の世界観上、死んだ人は生き返りません。好きなキャラが死んで退場すれば、見ている人はそれなりにショックを受けると思います。

また、本作品には、先ほども述べましたが、「エンディングの壮大さ。」と「純愛物であること。」という特徴があります。そのため、私はこの作品を教育的価値があると考えており、子供にも積極的に見せて良いと考えています。

もちろん年齢にもよりますが、主人公たちの年齢が中学生であることから、中学生ぐらいの年頃の方なら特に感情移入がし易いと思われ、この年代の方に特に見て欲しい作品です。

それより低い年齢の場合は、見て理解できない可能性が高いですが、見て有害と言うことは無いと思います。

どの順序で見れば良いのか?

派生作品を除くと、まどマギシリーズには次の3作品があります。

  • テレビアニメ版
  • 映画版「[前編] 始まりの物語」と「[後編] 永遠の物語」
  • 映画版「叛逆の物語」
  • 映画版「ワルプルギスの廻天」(開発中のため、未公開。)

映画版「[前編] 始まりの物語」と「[後編] 永遠の物語」は、テレビアニメ版の総集編です。

映画版「叛逆の物語」は、これらの作品の続編となります。また、まだ公開されていませんが、映画版「ワルプルギスの廻天」は、映画版「叛逆の物語」の続編となります。

そこで、まずは、テレビアニメ版か、映画版「[前編] 始まりの物語」と「[後編] 永遠の物語」を見た後に、映画版「叛逆の物語」を見るべきです。

叛逆の物語はあくまで続編なので、この順序で見ないと、お話について行けません。

映画版「ワルプルギスの廻天」が公開されたら、上記の作品を十分に予習した後に見ましょう。

叛逆の物語はどんなお話か?

これまで、テレビアニメ版のお話をしてきましたが、続編である映画版「叛逆の物語」について触れます。

テレビアニメ版の視聴者の間では評価が賛否分かれる面もありますが、テレビアニメを観た後はぜひこちらも見ておきたいです。

この作品は純愛物の性質が更に強調されており、暁美ほむらの心理描写に強く焦点が当てられます。

特に、キャラクタの心が周囲の風景に投影されるという表現手法が多用されており、「比喩のように見える現実」という言い方をする方もいます。この手法を多用しているのも作者の意図があり、最後まで見ると、ああなるほどと納得します。その上で、もう1回見ると、新しい発見があるかもしれません。

テレビアニメ版が法律(法学)をはじめとした、哲学や宗教で解釈される作品なら、叛逆の物語は、純愛物を突き詰めた純文学的な作品です。

そして、この作品のエンディングも途方もなく壮大で、色々な解釈が可能になっています。

たまに、この作品はすべて夢の中の出来事であって現実ではないと主張する方もいますが、この解釈は明らかに間違いであり、テレビアニメ版の続編としてその未来に起きた現実と解釈するしかありません。

それを前提とした上でですが、叛逆の物語では、暁美ほむらがテレビアニメ版の未来で強く葛藤するところが描かれており、既に述べた通り、その心理描写が、壮大で美しく純文学的なものになっています。その葛藤の末に暁美ほむらは一線を超える選択をしてしまいます。

賛否分かれる面があるのは、暁美ほむらは一線を超える選択によって、これ以上ないぐらいのグッドエンドで終わったテレビアニメ版のエンディングを、ぶち壊しにしているという見方ができるからだと思います。

私自身は、「否」ではあるのですが、この作品には続編が企画されており、最終的な結論は、続編の展開次第だと思っています。続編まで見れば、全体として、テレビアニメ版以上に良かったと思える作品に昇華するかもしれません。

ワルプルギスの廻天はどんなお話か?

叛逆の物語の更なる続編としてワルプルギスの廻天が企画されています。

こちらがどんな作品になるかですが、テレビアニメ版も叛逆の物語も、世界の書き換えや新たな秩序の打ち立て、という壮大なテーマ性がありますので、ワルプルギスの廻天も、そうした方向性で壮大なテーマ性を持つ作品になると予想されます。

また、叛逆の物語を見る限り、暁美ほむらに救いがないと思われる方もいるかもしれませんが、本作では何らかの救済が用意される可能性があります。

叛逆の物語が個人的には納得のいかない面のある終わり方だっただけに、この作品まで見れば全体として誰もが納得する作品になる可能性もあり、個人的には非常に楽しみにしています。

まどマギの同人誌

<2021/05/31 追記>

 

冒頭で、「法律(法学)が好きな人にはまどマギを好きな人も多いと思っています。」と述べましたが、実は、まどマギと法律(法学)をテーマにした薄い本(同人誌)が存在します。

最後に

今回は以上です。

司法書士試験の受験生の方が、勉強の手を止めてまでこの作品を見ることはお勧めしませんが、非常に素晴らしい作品なのは間違いありません。法律(法学)を勉強している人にはいずれ見て欲しい作品です。

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