司法書士試験はいつ受けるべきか(新卒採用を逆手に取る究極の就職戦略)

受験以前
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こんにちは。

九条です。

今回は、「司法書士試験はいつ受けるべきか」というテーマでお話していきます。

司法書士試験はコロナによる延期等、不測の事態がなければ毎年7月の第一日曜日に開催されます。

しかし、ここで言う「いつ」というのはそういう話ではありません。

人生戦略の観点、特に就職戦略の観点から、司法書士試験を人生のどのタイミングで受験すれば良いかという話をしていきます。

こういう記事を書こうと思った動機として、「高校生ですが、司法書士試験を受験したいです。どうすればいいですか?」という質問をよく目にするからというのがあります。peing.net から私自身に直接質問が来たこともありますし、匿名掲示板でもよく見かける悩みです。

本記事で書くことは、端的に言えば、この質問への回答です。

しかし、これは司法書士試験に限らず、人生戦略、特に就職戦略の観点からは、司法書士試験以外にも応用が可能なことです。

そこで記事のタイトルに括弧書きで、「新卒採用を逆手に取る究極の就職戦略」と付けさせていただきました。

タイミングの例

司法書士試験を受験する人生のタイミングとしては、「一般的に」次のタイミングが考えられます。

  • 定年退職後
  • 在職中
  • 就職後受験のために退職中
  • 大学卒業後就職前
  • 大学在学中

実は、私に言わせると、どれも人生戦略の観点から最適解とは言いづらいのですが、多くの受験生はいずれかに該当すると思います。

定年退職後

これは、受験に十分な時間を割くことができる上、心理的なプレッシャーも少なく受験できるというメリットがあります。

実際にこのタイミングで司法書士試験に合格する方はいます。

ただし、就職が難しくなるという問題があります。ただし、実際に、就職に成功したという噂話は聞いたことがあるので、可能だと思います。

もっと大きな問題として、若い段階で司法書士になりたいという志があったのに、定年退職後にその仕事をするとなると、定年まで仕事をする時間が、悪い言い方をすれば無駄ということになります。

※定年退職後に司法書士になりたいという志に目覚めたのであればこの限りではありません。

一般的に、司法書士を目指す人は、司法書士になった方が収入が増えると見積もっていて目指すと思います。そうすると、若い段階で合格して、若い段階で司法書士になっておけば、生涯年収は増えるでしょうから、金銭的な損失もあります。

よって、最初からこのタイミングを目指してしまうのは全くお勧めできないという結論になります。

在職中

兼業受験生ということになります。

この場合、不合格の場合の損失が教材にかけた金銭と、時間以外に特に発生しません。専業受験生でずっと合格できなければ、人生狂ってしまうという人もいるかと思いますが、そういうリスクがありません。

専業受験生と兼業受験生はメリットデメリットがあり、兼業受験生の方が、心理的プレッシャーが少なく、精神衛生上は良いというメリットがあります。しかし、安定した収入があると、人間は楽な方へ流れてしまいがちです。専業受験生で背水の陣を敷いた方が効率よく勉強できる方も多いです。

仕事と受験勉強のスイッチを1日の間に切り替えなければならないですが、人によっては、これが難しい場合もあります。ひとつのことに集中すると気持ちの切り替えができないというわけです。

また、司法書士試験は、一度勉強したことを忘れる事との戦いです。長期戦になると忘れることも多くなります。私も含め多くの合格者の直感として、短期戦で決着を付けるべきというのが主流の意見です。

よって、ここで挙げた兼業受験生のメリットを許容できるなら、比較的お勧めのタイミングです。

就職後受験のために退職中

要は専業受験生です。

私が選んだ道がこれです。

これは、在職中に司法書士試験を受験するのと五十歩百歩だと思います。

兼業受験にはメリットデメリットがあるとは述べましたが、その裏返しとして専業受験にもメリットデメリットが存在します。

非常に不条理なことに感じますが、日本の就職市場では経歴にブランク(無職の期間)を作ると不利になります。

無職の期間が長ければ長い程、再就職がドンドン不利になりますし、金銭的な問題もあって、長期にわたって専業受験生はやっていられません。

失敗した場合の損失が大きく、心理的プレッシャーも大きくなるのですが、背水の陣で挑めるため、それが勉強の原動力になるという人もいると思います。

また、短期戦となるため、司法書士試験の忘れる事との戦い、という性質を考慮するなら、総合勉強時間を少なくできるというメリットもあります。

大学卒業後就職前

これはあまりお勧めしません。

「就職後受験のために退職」と近いのですが、それよりもやや不利になります。

というのは、日本の就職市場では経歴にブランク(無職の期間)を作ると不利になるのですが、社会人経験無しは更に不利になってしまうからです。

※あくまで、事実を述べているだけで、私はこのような社会制度には反対です。

受験に失敗した場合に、「就職後受験のために退職中」よりもさらに潰しがきかなくなります。

なので、就職してから最低3年は社会人経験を積んで専業受験生になることをお勧めします。

大学在学中

これは見返りも大きいのですが、代償も大きいです。

兼業受験と同じで、おそらく大学の学業と並行してやると、かなり過酷な大学生活となります。

大学の単位も卒業に必要な最低限で済ますということになるのではないでしょうか。

個人的な意見を言えば、これは勿体ないです。

折角お金を払って大学へ行くのですから、大学にいる間は、大学でしかできない勉強をした方が得だと思うのです。

見返りとしては、就職に有利な事です。もっと極端な話をすれば、就職活動をしなくても、司法書士事務所なら就職先が見つかる可能性があるので、そもそも就職活動をしなくて良いです。

他の記事からの引用ですが、管理人は就職活動についてこんな考え方をしています。

(参考記事)(合格者が考察)司法書士のコスパは良いか悪いか? – 儲かる方法


 

まず、出会いの多い学生生活において、司法書士資格を持っていれば、立ち回り次第では異性にモテる可能性があります。

次に、就職活動に余裕が生まれることです。

こんな発言をしていますが、ここで言う「糞」にかまける必要が無くなります。

本当に私は、大学時代の就職活動を糞だと思っています。詳しことは次の記事で説明しています。

(参考記事)何故、学歴は重要なのか?(プログラミングと学歴)

新卒を優遇するということは、そうではない者には就職が不利になります。そして私は、新卒で内定し、自分の内定先企業がブラック企業であることが就職前に判明しました。その場合でも、内定を蹴ると次の就職先を探すのが難しくなるため(新卒を優遇するという馬鹿げた仕組みのため)内定を蹴る勇気を持てませんでした。

結局、この会社には我慢して何年か務めたものの、何も得られるものはなく辞めています。

余談ですが、当時の自分なら内定を蹴っても食っていける自信はあったので、蹴っておけばよかったのですが、親を安心させたいというのもあり、そのまま就職してしまいました。有料記事に書いていますが、この親からは裏切られましたし、今思えば、親も相当糞だと思います。

少々脱線しましたが、司法書士事務所は新卒ではない未経験者でも採用すると言われていますので、就職活動で相当強気に立ち回れます。内定を蹴っても構いませんし、何なら就職活動をする必要すら無いので、4年生になってから研究に集中することもできます。新卒採用反対デモのような左翼活動をして正義の味方を目指してみるのも良いかもしれません。


 

以上から、在学中に受験するのは学業を犠牲にするという代償はある物の、見返りは大きいと言えると思います。

ではいつ受験すれば良いか?

これは、「高校生ですが、司法書士試験を受験したいです。どうすればいいですか?」という質問への回答でもあります。

日本においては、中学を出て直ぐに高校に進学し、高校を出て直ぐに大学へ進学する、という常識があります。

しかしですね…

常識は壊すために在ります。

常識が客観的に正しいことは実は少ないのです。

むしろ科学の進歩は、常識を実験や観察から破ることでもたらされてきた歴史があります。

(参考記事)司法書士試験独学一発合格は、不可能です。

結論を言えば、「高校卒業後、大学入学前に、専業受験で受験する。」これが正解です。

新卒採用では、高校卒業後、大学入学前に経歴にブランクがあった場合、それは浪人と言い、あまりネガティブな経歴とは見られません。一方、大学卒業後、経歴にブランクがあった場合、それは無職と言い、非常にネガティブな経歴と見られるのです。というか、後者は新卒採用して貰えません。

これを逆手に取ります。

高校卒業後、大学入学前に、専業受験で受験すれば、浪人とほぼ同じ扱いになり、新卒採用でもそれほど不利な経歴にならないのです。つまり、挑戦するリスクが少ないのです。

実際に、就職後に大学や大学院へ進学し、その後ん新卒採用で採用され、転職を大成功させた方を知っています。

大学へ行くかどうかは、司法書士試験の結果が出てから決めれば良いと思います。

司法書士試験の結果が合格の場合は、より実務を有利に進めるため、或いは新卒ではないと就職できないような大企業に就職するために、大学へ進学することができます。

逆に不合格の場合も、就職を有利にするために大学へ進学することができます。この場合、司法書士試験に不合格になったということは法律の勉強に向いていないということが証明されたのですから、法学部以外に進学すれば良いと思います。

つまり、自分の適性を知った上で大学を選べるのです。

最近と言わず、昔からよくあることなのですが、情報系の学部に進学したものの、勉強に全く付いていけずに病んでしまったということはよく聞きます。情報系は向き不向きが人によって非常に分れるからです。余談ですが、最近は、これを学会も問題視しており、それがきっかけで、義務教育にプログラミングが導入されたのではないかとも思っています。

自分の適性を知った上で大学を選べば、こういうリスクを減らせます。

なお、情報と法律の両方を勉強したことのある者として言わせてもらうと、法律の勉強に挫折した人は、情報系の大学を目指すべきではありません。意外に思われるかもしれませんが、これらの学問には共通点も多く、どちらも社会科の学問です。

この戦略は、最終的に司法試験を目指したいけど、力試しとして司法書士試験を受けたいという人にも有効です。大学入学前に司法書士試験に合格しておけば、大学卒業後に司法試験を目指す場合でも潰しがきくからです。

この戦略の最大のメリットは、上記の「在学中」のところで考察した通りです。仮に合格した場合、大学進学後に就職活動をしなくても大丈夫なのです。そのため、大学生活が大変充実したものになると思います。

応用編

ここまで説明してきたことは、司法書士試験に限らず、人生戦略、特に就職戦略の観点からは、司法書士試験以外にも応用が可能です。

例えば、他の資格試験、芸術や音楽、同人活動にも当てはまります。

高校卒業後、大学入学前に、これらの活動をすれば、リスクが非常に少なくなり、成果を見てから後の進路を決定するということができます。

他の資格試験、芸術や音楽、同人活動の他、次の条件を満たせば何でも当てはまります。

  • その活動をすることに学歴が必要無いこと。
  • その活動をすることに人生戦略、特に就職戦略の観点からリスクがあること。

例えば、学者になりたいという場合は、前者の条件を満たさないので、この方法は使えません。素直に大学に進学すべきです。

他の記事でも述べていますが、司法書士試験は学歴が必要無く、リスクのある選択ですので、モロにこの条件の両方を満たします。

最後に

ここで述べたことは、個人的には最適解だと思うのですが、実際に実践している人は少ないです。

もしかしたら、私の想定していないリスクがあるのかもしれません。

もしも、それに気づいた方は、コメント欄から指摘をお願いします。

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