※この記事は書きかけの状態で公開しました。後日追補を行います。
こんにちは。九条です。
今回は、未経験からフリーランスのプログラマになる具体的な方法を考察します。
えっ、今までの主張に反するんじゃないの?と思った方もいると思います。確かにそうです。私は、過去の記事で、未経験からプログラマになるのが、いかに難しいかを主張してきました。特にフリーランスは難しいです。
(参考記事)
副業、フリーランス、かつ在宅のプログラマを始めるにはどうすれば良いですか?
(プロが答える)プログラミングとはそもそも何か?② – よくある Q and A
人生逆転を狙うなら、プログラミングと資格取得どちらがオススメか?
しかしながら、これらの記事では、プログラミングスクールやアフィリエイターのお勧めする方法でそれを達成するのが困難と主張しているのであって、フリーランスのプログラマになることを全面的に否定まではしていません。ごく短い記述に留めましたが、希望の持てる方法も記事上で提案しています。
本記事では、過去にごく短い記述に留めた、未経験からフリーランスのプログラマになるための希望の持てる方法を解説したいと思います。
ここで紹介する方法のひとつは、実は年齢が25歳未満だと非常に有利になります。25歳未満の方でプログラマを目指している方は、第一選択肢として検討して欲しい方法です。
前提として、私はプログラマですが、フリーランスではありません。また、ここで実際にお勧めしている転職方法を実践したことが無く、エアプ発言を含む記事となることをご了承ください。
また、私はどこのプログラミングスクールとも提携していません。プログラミングスクールをお勧めする気は一切ありませんし、むしろ不要だと思います。
プログラミンスクールやアフィリエイターの主張
未経験からフリーランスのプログラマのプログラマになる方法として、プログラミングスクールまたは、アフィリエイターはざっくり分けてしまうと次の2つを主張します。
- クラウドソーシングサイトに登録し、副業として仕事をしながらステップアップする。
- スクールを受講し、ポートフォリオを作成する。未経験者歓迎の求人に応募する。
後者はともかくとして、前者は実現可能性の無いお伽話と言っても過言ではありません。
「クラウドソーシングサイトに登録し、副業として仕事をしながらステップアップする。」の問題点
※クラウドソーシングサイトには、お客様先常駐のような仕事形態もあり、そういうものであれば稼げると思います。ここで問題にしているのは、在宅の副業形態のものです。
これの何が問題かというと、プロでも仕事を取るのが極めて困難なことです。
私自身がクラウドソーシングサイトに登録したことがありますが、全く仕事が取れませんでした。
まず、クラウドソーシングサイトにある案件は、お客様先常駐の案件を別にすれば、小規模な案件がほとんどになります。そして、相場より安い案件ばかりです。
それでもできるだけ早く仕事をこなして数をこなせば稼げるかもしれません。しかし一見、クラウドソーシングサイトにはたくさんの案件があるように見えて、実際に自分にできる仕事はプロであったとしてもごく一部しかありません。プロでも、あらゆる分野に精通しているわけではなく、納期通りに責任をもって確実に仕上げられる仕事は限られてくるのです。
得意分野でない仕事でも調べながらやればできるかもしれませんが、それは失敗のリスクがありますし、時間もかかってしまいます。
時間がかかると最低賃金を割るような値段で仕事を請けなければならくなるかもしれません。
また、私が実際に経験があるのですが、仕事が取れそうなところまで来たものの、実際に見積りを詰めていくと高すぎるという理由で仕事が流れることがあります。こういう交渉事には報酬は一切発生しませんので、こういうことを繰り返していると、最低賃金を割ってしまいます。
そして、何よりこれが無視できないのですが、失敗した場合、訴訟を起こされて、収益がマイナスになる可能性があります。
多くの人は副業にお手軽さを求めていると思いますが、このようなリスクの高いものは副業としては到底お勧めできるものではありません。リスクがあるから株やFXを副業にしたくないと考えている人は多いでしょうが、プログラミングにも全く同様の問題があります。
ちなみにですが、アフィリエイトは副業としてお手軽さがあります。著作権侵害等、法的リスクがないわけではありませんが、常識的に活動していれば、ほぼノーリスクで始められます。実際に本 Web サイトもアフィリエイトブログですが、僅かながら収益は発生しています。
なので、あくまで副業が目的なら、プログラミングは全くお勧めできません。まだアフィリエイトをお勧めします。
以上から、転職のための下積みと考えても、クラウドソーシングサイトで副業をするのは分が悪すぎます。
そして、こちらも問題なのですが、クラウドソーシングサイトでの職歴を、転職の面接で提示しても、おそらく職歴としては認めてもらえません。
クラウドソーシングサイトには小規模な案件が多く、大規模な案件ではまた別のスキルが必要になりますし、チームで開発するならそれもまた別のスキルが必要になります。クラウドソーシングサイトで案件をこなしても、こうしたスキルは身に付かないことが殆どだと思われますので、仮にクラウドソーシングサイトで仕事を取れたとしても、転職に活かせない可能性が高いです。
「スクールを受講し、ポートフォリオを作成する。未経験者歓迎の求人に応募する。」の問題点
これはいくらか現実味のある方法です。
プログラミングは副業にしても本業にしても、転職しようとすると、まず実務経験を求められます。そこで、実務経験が無い⇒転職できない⇒実務経験が無い⇒転職できないのデッドロックに陥りがちになってしまいます。
なので、未経験者がプログラマに転職する場合は、未経験者歓迎の求人に根気強く応募する必要が出てくると思います。
しかし、未経験者歓迎と言ってもまったく知識のない方を採用することはないと言われていて、何らかの作品を作って、それをアピール材料にして応募しようというのがこの案です。
この方法に問題点があるとすると、他との差別化が図りにくいことだと考えられます。この方法は多くの就職希望者が実践している方法で、作品がよっぽど優れたものでないと、注目してもらいにくくなります。特に、最近では同じようなポートフォリオが沢山提出されているとして、プログラミングスクールの運営の在り方が批判されることもあります。
実際、これは私の経験に一致することです。Twitter で初心者プログラマと交流することがありますが、多くの初心者プログラマはいわゆる Web 系のプロダクトを自分のプロフィールと一緒にポートフィリオとして掲載しており、内容も似通っているものが多くありました。
プログラミングは自由な発想力を求められる面もありますので、せっかくなら、Web 系に囚われずにもっと自由な発想で、色々な作品があっても良いと思います。Web 系に応募する場合でも、Web 系以外の作品をあえて作って、周囲より目立った方が有利と言うこともあるかもしれません。
本来の正攻法
私は、プログラミングスクールやアフィリエイターとは違う方法を提案します。そして、これはプログラミングスクールが普及する前は、一般に「正攻法」とされていた方法でもあります。
- フリーソフト・シェアウェアを開発する
- 同人ゲームを製作しコミケに出品する
- IPA未踏プロジェクトに応募する
これらの方法は本質的にはポートフォリオを作ることとあまり変わりはありません。特に前者2つの場合がそうです。しかし、フリーソフトやシェアウェア、同人ゲームの方が、Web 系のポートフォリオに囚われずに自由な発想で作ることができると思います。
フリーソフト・シェアウェアを開発する
Windows には無料のソフト(フリーソフト)や、体験版のような形でソフトを出しておいて、気に入ったら課金するソフト(シェアウェア)が多数存在しています。
これは、Windows で独自に発展した文化で、フリーソフトはソースを公開しない無料のプロプライエタリソフトという、Linux で普及しているオープンソースとはまた異質なものです。とは言え、オープンソースの活動も広義のフリーソフトに含まれてくると思います。
フリーソフトやシェアウェアを作って、十分に普及させた後、これをポートフォリオとして提出する方法があります。
これも本質的には、プログラミングスクールのお勧めしている方法と変わりないのですが、こちらの方が Web 系というジャンルにとらわれず、自由な発想で作品を作れると思います。
実は、私もフリーソフトを公開しているのですが、就職するにあたって自分のフリーソフトをお見せしたことがあります。これだけで採用が決まったわけではありませんが、有利になった面はあると思います。
フリーソフトの大成功事例として Sleipnir があります。現代では、それほど知名度は高くありませんが、昔は大変な人気を誇ったブラウザです。
Sleipnir も元々はフリーソフトとして開発され、大変人気の製品となっていたところ、なんと、残念なことに、作者のパソコンが盗難に遭ったことでソースを紛失してしまいました。
そして、新しく Sleipnir2 を作ることになったのですが、なんと、それに対して1千万円の寄付が集まって、Sleipnir の作者は起業してしまったのです。法人化されていますが、今でも Sleipnir は無料で使うことができます。
こんな風に、最初から、ポートフォリオを就職のためのプレゼンテーション材料としてこだわってしまうより、自分の作りたいものを作った方がうまく行く可能性もあります。というか、ソフトなんて使ってもらってナンボなのであって、就職のためだけに作られただけでユーザの付いていないポートフォリオに果たして価値があるのか?と言うことは考えてみた方が良いと思います。
同人ゲームを製作しコミケに出品する
これは、フリーソフト・シェアウェアを開発するというのと類似した方法です。
同人ゲームを製作し、コミケに出品して成功したプログラマの方がいます。
※コミケとは、日本で最も大規模な同人誌即売会(行事、お祭り騒ぎ)です。自分の作品(但、二次創作が多い)を、作者が直接販売できるブースを設置できます。
まず、この話の前提として、私が尊敬するZUNさんというプログラマの経歴を紹介させてください。
ZUNさんは、おそらく日本でダントツで最も成功したフリーランスプログラマだと思います。フリーランスプログラマの大成功事例として引き合いに出されることも多く、私も非常に参考になると思っています。
ZUNさんは、東方projectの原作者です。東方projectというと二次創作の方で知った人が多いと思いますが、例えば Youtube 等の動画配信サイトに解説役として登場する首だけの巫女のキャラ(博麗霊夢)と魔女のキャラ(霧雨魔理沙)は、もともとは東方projectのキャラです。
ZUNさんは Windows が普及するよりも、もっと昔から同人活動をしており、コミケに東方projecの初期の作品を出品されています。この作品のひとつの特徴として、ZUNさんがプログラミングはもちろんのこと、グラフィック、シナリオ、音楽まですべて担当していることがあります。
就職活動では、それを実績として提出し、就職を勝ち取ったと言われています。
また、その後は、退職して独立し、コミケでの活動を継続しています。
東方projectがどのくらいの金銭的な売り上げを出しているか、数値は把握していないのですが、個人の考えたキャラを日本中の人が知っているというのはすごいことだと思います。
個人的な思想ではありますが、フリーランスプログラマを目指す人は、プログラミンスクールの経営者やアフィリエイターではなく、こういう人(ZUNさん)を目指して欲しいと思います。
プログラミングスクールの経営者やアフィリエイターは、教えるのは上手いかもしれませんが、プログラミングの技術力は三流ということもありますし、極端な話が、アフィリエイターの場合は素人のこともあります。そういう方ではなく、実際にプログラミングで実績を挙げている方を目指して欲しいのです。
IPA未踏プロジェクトに応募する
この記事のタイトルに、「最も見落とされている最後の手段」とありますが、今から解説します。
(参考資料)
IPA未踏プロジェクトに応募すると、自分で考えたアイディアを、国家機関(IPA)から審査してもらい、審査に通れば出資してもらうことができます。更に、ここでい著しい成果を上げれば「未踏スーパークリエータ」として認定してもらえます。
未踏スーパークリエータに指定を受けている有名なプログラマとして、Ruby の開発者である、まつもとゆきひろさんがいます。
審査は書面審査と、その次にIPAのPM(プロジェクトマネージャ)に対面でプレゼンテーションして行う、面接審査があります。
出資して貰える場合は、自分の人件費をそこから支払ってもいいので(きちんと作業することが前提ですが、)生活費やお小遣いが得られます。
未踏スーパークリエータに認定された場合は、ある意味これは司法書士試験を凌駕する難易度の資格であり、就職では非常に有利になります。
また、クリエータ同士での交流イベントもあり、フリーランスになる場合の人脈を作ることにもつながる可能性があります。
というわけで、審査に通れば、未踏スーパークリエータに認定されてもされなくても、プログラマとして非常に有利なキャリアになります。
非常にハードルが高いのではないか?と思った方もいるかもしれませんが、過去には実務経験の全くない方が未踏スーパークリエータに指定された実績もあります。少なくとも、スクールの指示通りにやれば誰でもできるようなポートフォリオを引っ提げてプログラマに転職しようとするよりは、これに応募する方が簡単だと思います。
実は、この未踏プロジェクトには、応募制限が付いており、25歳未満でなければなりません。25歳以上の場合は、「未踏アドバンスト事業」という枠でなら応募できるのですが、審査のハードルが高くなってしまうようです。そのため記事のタイトルに【25歳未満は急げ!】と付けています。
実は、私も未踏プロジェクトへの応募を考えたことがあります。社会人になって1年目のことでしたが、フォルダを使わずにタグで画像を分類する機能、Facebook のように、この写真には誰が写っているかを Web でデータベース化する機能、を搭載した画像ビューアのアイディアを閃いたのです。
これは、「君が審査に通過したら君が会社を辞めてしまうのでダメだ。」と上司に止められ、結局、出願を決行しませんでした。今では、Google や Facebook が類似機能を搭載した Web サービスを持っていますが、当時としては斬新なアイディアだったと思います。
また、こちらも決行しなかったのですが、大学院時代にMMORPGを開発しようとしていたので、それを未踏プロジェクトに出願するかどうか迷っていました。これを決行できなかったのは単純な行動力不足です。
出願するだけなら無料で、実務経験も要りませんので、是非プログラマになりたい皆さんは挑戦していただければと思います。
今回書き切れなかったこと
同人ゲームについては、もう少し踏み込んだことを書きたかったと思いますが、本記事のテーマから逸脱し始めたので、後日別の記事として追補することにしました。
具体的には、どんな同人ゲームが成功事例として存在するか、作り易いジャンルは何があるか?と言ったことです。
ではまた。
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