おはようございます。九条です。(徹夜明けのため、眠いです。)
最近非常によくお受けする質問に回答させていただきます。
質問:プログラミング素人ですが次のような働き方をするにはどうすれば良いですか?
- 副業で月5万円稼ぎたいです。
- フリーランスで働きたいです。
- 在宅で仕事したいです。
勉強が必要なのは分かるので頑張ります!
結論
実務経験者として、結論を先に申し上げます。
ほぼ不可能だとお考え下さい。これはプログラミングの実務をまるで分っていない方の質問だと言わざるを得ません。というか完全に業界を舐めてます。
これならまだ、司法書士試験に独学一発合格する方が100倍現実的だと思います。
ただし、実務経験を積んで突出した技術力を身に着けるか、特別な才能があれば可能かもしれません。
少なくとも素人には不可能です。
順に見ていきます。
副業?
プログラマほど、副業と相性の悪い仕事もなかなかないでしょう。
仕事を頼む側の目線になって考えてください。
プログラミングではチーム作業が発生します。いつ連絡が取れるとも分からない副業者に仕事を頼めるでしょうか?
プログラミングは短納期で成果を出すことが求められます。早々に作り上げて稼働させなければビジネスチャンスを逃すからです。副業で、どうやって短納期を実現するのでしょうか?
プログラムは一度書いて終わりではありません。バグの修正や機能追加の要望がほぼ必ず発生します。プログラムには書いた人の個性が入ります。最初に書いた人でないとメンテナンスにかかる時間(コスト)が大きくなるのです。次回も仕事をしてくれる保証のない副業者に仕事を頼めるでしょうか?バグで障害が起きたとき、どう対応するのでしょうか?
プログラマは新しい技術についていくために常に勉強しなければなりません。本業でやっている人は寝る間も惜しんで勉強しています。言うまでもないですが、副業で、この勉強時間を捻出できるはずがありません。
以上から、プログラマを副業でやるというのは考えにくいのです。
私自身はプログラミングが大好きなので、この記事の読者がこれからプログラミングを勉強するのであれば、歓迎します。プログラマに成るにはどうすれば良いか?という記事も後程執筆したいと思います。
ですが、副業は現実的とは言えないのです。やるなら本業でやりましょう。
本業として、時間をかけて(数年単位)技術力を積めば、もしかしたら、副業、フリーランス、在宅という働き方はできるようになるかもしれません。
フリーランス?
※これはプログラマに限定したお話です。司法書士もフリーランスだと言えます。私は実務をしていないので明確に申し上げることはできませんが、司法書士の場合は事情が異なるかもしれません。
私はフリーランスとして働いた経験はありません。デメリットばかりだからです。
- 自分で営業して仕事を取らなければなりません。
- 自分で確定申告する等、プログラミング以外の事務仕事が発生します。
- 景気が悪くなれば即失業の可能性があります。
- 仕事に失敗したら訴訟沙汰です。
(会社員ならよほど悪質でない限り、上司に怒られる程度で済むでしょう。) - 報酬を支払わない顧客がいるかもしれません。きちんと仕事をしても、いちゃもん付けて納品を拒む顧客もいるかもしれません。
(これも訴訟沙汰です。) - 会社がスキルアップの支援をしてくれません。
- 住宅の賃貸審査が通りにくくなります。
住宅を購入するためローンを組む場合も同様です。 - 厚生年金が無くなる等、社会保障が非常に弱くなります。
もっとも、営業は代行会社があるにはあります。また確定申告も外注することができますし、訴訟は弁護士に頼めばいいでしょう。
しかし、代行会社があると言っても、顧客と面接をしなければなりません。圧倒的な技術力があり、なおかつそれを証明するような実績が無ければまず相手にされません。
フリーランスになるのであれば、こういうデメリットを背負うに値するだけの収入を得なければ話になりません。
ひとつの目安として、プログラマのフリーランスの報酬は、会社員の給料の2倍が必要だと言われます。
例えば、会社員で年収300万円稼げているなら、年収600万円以上稼げる見込みが無ければ、フリーランスになるべきではありません。
圧倒的な技術力を持って、それだけの報酬を支払うに足りるだけの仕事ができないのであれば、フリーランスになってもデメリットしかありません。
私の知り合いにフリーランスで活躍されている方は何名かいますが、やはり圧倒的な技術力を持っています。
フリーランスになることでメリットがあるのは、会社に就職して実務経験を積んで、圧倒的な技術力を身に付けた一握りの人だけです。
在宅?
これも難しいのです。
プログラマは顧客の機密情報を扱う場面が多くあります。
自宅の私用PCに、私用データと一緒くたにそんな大事なデータを保管して良いのでしょうか?
PCがウィルスに感染してデータが流出したらどうするのでしょうか?
そうしたセキュリティ上の問題が未解決です。
また、打ち合わせはどうするのでしょうか?先にも述べた通り、プログラミングはチーム作業をすることが多いです。
ただし、これについては解決策が色々と検討されており、プログラマの在宅ワークを実現している会社もあるにはあります。しかし、仕事中、PCの使用状況を逐一監視されるため、ある意味、会社に出て仕事をするよりもプライベートというものが全くありません。
在宅だから気楽だということは無いのです。
ただ、現在はコロナウィルスの影響で、在宅勤務を採用する企業も増えています。しかしながら、コロナウィルスが収束した後にどうなるかは分かりません。
クラウドソーシングはどうか?
最近、クラウドワークスやランサーズのように、ネットを通して直接会わずに仕事を受注する働き方(クラウドソーシング)も出てきました。
これなら、最初に挙げた副業、フリーランス、在宅の条件を満たすことができそうです。
実は、管理人もクラウドワークスとランサーズに登録しました。
しかし、登録してから、これは稼げないんじゃないか?と思いました。
上記の通り、大規模な案件は副業者に任せられません。副業者に唯一任せられるのは、直接会う必要のない1人プロジェクトで、かつ1日~2日で完了し、メンテナンスも必要無いような案件のみです。
これを満たす案件もあるにはあります。しかし、そう言う案件は競争率が非常に高いのです。実績のある方が速攻でかっさらって行きます。
ものすごく安く仕事を受ければ可能でしょうが、時給で考えたらアルバイトした方がマシじゃないかと言う報酬になると思います。
そして、そう言う案件をこなしていてもプログラマとしての技術力は伸びません。
以上から、恥ずかしい話、登録したものの、速攻で撤退しました。
ただ、本職のプログラマが土日だけ副業して月1万円ぐらい稼ぐなら現実性があるかもしれません。
もう少し付け加えると、案件との相性次第では稼げなくは有りません。1日で終わる案件が1万円で募集されていることがあります。しかし、1日で終わらせるためには、特定の分野のプログラミングに精通していなければなりません。
ならば、あらゆる分野に精通していないと、受注できる仕事が極めて限定されてきます。
これは副業者には無理です。というか、プロでもあらゆる分野に精通しているわけではないのです。
※もちろん、クラウドソーシングサイトには、副業向き以外の案件も登録されています。例えばお客様先常駐のようなワークスタイルなら、技術力を持っていればという限定は付くものの、十分に稼げるでしょう。
管理人の外注案件
さて、私もクラウドソーシングで教材開発の一部を外注しようと考えています。
どちらかと言えば私は作問の方に集中したいので、プログラミングだけ外注してしまうのはひとつの選択肢だと言えます。
元々は全部外注することも考えていました。
しかし、想定していた以上に私のプロダクトの仕様が複雑だったのです。
これでは、外注すると、仕様を上手く伝えることができずに、仕様変更が発生し、思いがけないコストがかかる可能性があります。
また、実際に作ってみて、技術的にちょっと人に頼める難易度ではないと思いました。
技術的新規性が無いので簡単だろうと想定していたのですが、実際にはかなり難易度は高いのです。
私は、自分で言うのもなんですが、プログラマとしてはかなり上位レベルの技術力を持っています。ならば、外注すると自分よりもはるかに技術力の劣るプログラマに外注してしまう可能性が高いのです。それなら、自分で作った方がマシだと思い至りました。
ただ、課金の部分だけはどうしても独力では実装が難しそうなので、この部分に限り外注しようかと考えています。
しかし、ものすごく慎重になってしまう部分です。
というのは、別の記事でも述べていますが、品質を犠牲にすると、課金したのに使えないという人が出てきて、バグが出たら一気に信用を失くしてしまいます。特に、試験の前日になって正常に動作しないという事態になったら最悪で、お客さんが完全に離れてしまうでしょう。
アプリに免責事項を付けておくので、私個人がお客さんに訴訟を起こされることは無いとしても、それでアプリが売れなくなるでしょうから、大損害に繋がる可能性があります。
クラウドソーシングの場合、こういうことが起きたとき、誰が責任を取るのかという問題があります。請負契約にしておけば、請負人に賠償請求することができるかもしれませんが、副業者にその資力があるかどうかは、はなはだ疑問です。
なので、重ねてになりますが、この外注については慎重に慎重に行いたいと思います。
そして、これがリアルな「仕事を頼む側の目線」でもあります。これを読んだ人は素人の副業に如何に現実味がないかがお分かりいただけるかと思います。
現実的な提案
以上から、副業、フリーランス、在宅のプログラマは無理のある働き方だというのが私の考えです。
しかし現実味のある方法が全くないわけではありません。そこのところを考察してみますが、非常にハードルの高い方法です。
自分でアイディアを出して形にする
素晴らしいアプリのアイディアを閃いて、それを自分で開発してしまうという方法です。
私の教材開発がまさにこれに該当します。
※私の教材開発には技術的新規性はありませんが、ほぼ独学1年合格した人間が全問題を作問したということをウリにするという特殊なケースです。ひと昔前のいわゆるエロゲに近いかもしれません。エロゲの大半には技術的新規性がなくシナリオをウリにしています。
環境は Windows でも mac でも Android アプリでも iPhone アプリでも何でもいいです。
小規模なものであれば、最初に挙げた副業、フリーランス、在宅の条件を満たせるでしょう。
それか、同人ゲームを開発してコミケでリリースするという方法もあります。
※コミケはコロナウィルスの影響で中止になっていますのでその点は注意です。
有名な「東方project」も同人ゲームです。
大規模なアイディアで自分一人では無理!という場合、投資してもらうことができます。
IPA(基本情報技術者試験の実施団体)による未踏プロジェクトというものがあります。これを使えば、アイディアに投資してもらうことができます。
日本人が開発したことで有名なプログラミング言語である「Ruby」も、元は未踏プロジェクトの作品です。
副業、フリーランス、在宅をさんざんに否定してきましたが、このやり方で稼ぐのであれば、現実的です。但、特別なアイディアや才能が要求される点はハードルが非常に高くなります。特に「東方project」の場合、製作者であるZUNさんが、プログラミング、シナリオ、イラスト、音楽、と全部担当していることで知られており、とてつもない才能が必要であることが分かります。
アフィリエイトで稼ぐ
プログラミングを学ぶ過程の日記をブログに載せて、アフィリエイトで稼ぐなら現実的に稼げるかもしれません。
本 Web サイトでは、アフィリエイトブログの立ち上げ方についても解説する予定です。
Web デザインなら稼げるかも
プログラミングとよく混同される分野に Web デザインと呼ばれるものがあります。こちらなら現実的に稼げるかもしれません。
しかし、デザインセンスが必要になるというハードルがあります。
まとめ
プログラミングの素人が、副業、フリーランス、在宅で稼ぐのは、勉強したとしても非現実的です。
現実的だと考えられるのは、自分でアイディアを出して形にするか、アフィリエイトで稼ぐことです。
それにしても、この手の質問に最近非常によく受けます。プログラマが副業、フリーランス、在宅に向いていると、デタラメを宣伝している方がいるんでしょうか?
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