【司法書士試験】何故、管理人は合格ゾーンを推すか?(過去問は何年分解くべきか?)

司法書士試験
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こんにちは。

九条です。

今回は、司法書士試験合格のために、合格ゾーン(過去問題集)が果たして必要なのかと言うことを考察したいと思います。

これと並んでよく議論になることとして、過去問は何年分を解いておくべきか?という論点もあり、今回はそれについても考察したいと思います。

更に、これと並んでよく議論になることとして、過去問は肢別が良いのか5肢の本番形式が良いのか、というの問題となりますが、これについては後日別の記事を書きたいと思います。

また、合格ゾーンの使い方についても少し触れたいと思います。

合格ゾーンというと、合格ゾーンテキストという教材もありますが、ここで指すのはあの分厚い電話帳のような過去問題集のことです。それから、合格ゾーンの競合教材として、パーフェクト過去問題集というものもあります。ここでは、「合格ゾーン」と、具体的に製品名を出していますが、他の5肢式の網羅性の高い過去問題集についても当てはまる話です。

もうひとつ前提があり、この記事では択一式のお話をします。記述式の過去問については事情が複雑なので今回は触れません。

管理人はどちらか?何年分を解くべきか?

管理人は合格ゾーンは必要とまでは言えないが、解いた方が良いと考えています。過去問を何年分解くべきかについては、合格ゾーンが網羅している範囲である30年分程度、最低でも平成以降の分は解いておくべきだと考えています。

反対意見

これに対して、合格ゾーンを不要と考えいる合格者も多いようです。

不要と考える人の主張の理由としては、次のようなものがあります。

  • 回しきれない。
  • オートマ本編で十分な過去問が引用されている。
  • 過去問よりもテキストの読み込みを重視すべきである。

実は、この意見に管理人も6割~7割ぐらい同意します。

確かに、回しきれずに中途半端に終わることは避けた方が良い状況です。それぐらいなら、手を広げない方が良いというのが、多くの合格者の意見だと思いますし、私もそう思います。しかし、これは合格ゾーンの使い方を工夫すれば、十分に回すことができます。(合格ゾーンの使い方については、後程解説します。)

「オートマ本編で十分な過去問が引用されている。」というのもその通りで、オートマは過去問が多く記載されているテキストです。これをやっていれば過去問をある程度はカバーできるので、過去問の重要性はぐっと下がると思います。

「過去問よりもテキストの読み込みを重視すべきである。」これも同意するところです。問題を解くという行為は効率が悪く、司法書士試験では問題を解くのはほどほどにして、テキストを読み込んだ方が良いです。

(参考記事)【司法書士試験】テキスト読み込み派?過去問やり込み派?

この記事でも解説していますが、管理人はどちらかと言えば、テキスト読み込み派ですし、受験生の頃に、勉強方法を参考にさせていただいた先輩たちもテキスト読み込み派が多いと言えます。

しかし、それでもなお、私は合格ゾーンをやった方が良いと考えるのです。

前提

このお話の前提として、使用しているテキストの影響もあります。

例えば、オートマ本編は過去問を数多く引用しているテキストですので、合格ゾーンのような過去問題集を必ずしもやる必要はないという意見にも同意できるのですが、例えば、リアリスティックテキストはそれほど過去問の引用が無かったと記憶しておりますので、個別に過去問題集をやる必要性がさらに高まります。

逆に、現在、そのようなテキストはありませんが、もしも30年分全ての過去問を記載したテキストがあるのであれば、個別に過去問題集をやる必要はありません。

私が合格ゾーンをやったのは、民法、不動産登記法、民事訴訟法、民事執行法、民事保全法だけで、他は肢別過去問題集で妥協しています。また、憲法、刑法はパーフェクト過去問題集を使いましたが、1回で全ての肢を迷わず正誤判断してかつ正解できたため、回しても無駄だと思って1周しかやっていません。

合格ゾーンをやるべき理由

では、なぜ合格ゾーンを解いた方が良いのかについて、その理由を説明します。

私は、平成27年度合格者です。なので、平成26年度の司法書士試験の問題はかなり綿密に分析していました。

具体的には、択一式の問題をいくつかに分類したのです。

  • (●)そもそも知識を要しない問題(学説問題等)
  • (◎)手持ちのテキスト(オートマ本編と必出3300選)で解けるもの
  • (○)手持ちのテキストで解けるが、過去問を解いておくことで正解できる確率が高まるもの(より具体的な言い方をするなら、テキストの知識で正解できるが、テキストにそれに関する過去問が引用されていないもの)
  • (△)手持ちのテキストで解けないが、過去問を解いておけば正解できるもの
  • (×)手持ちのテキストで解けず、過去問を解いておいても解けないもの

何故、このような分析を行ったかと言えば、どのくらいの教材をやっておけば、合格点が取れるのかを知りたかったからです。そもそも市販の教材だけで合格点を取れず、予備校の教材の知識がないと合格できないのであれば、勉強方法を根本的に考え直し、場合によっては予備校の講座を取ることも検討しなければなりません。

前提として、私は年内には過去問を解いておらず、過去問は必要に応じて追加すれば良い教材だと考えていましたし、過去問を解き始めたのは年が明けてからです。

ここで、●、◎の問題がほとんどを占めていれば、過去問をやる必要はなく、手持のテキストだけで合格できることになります。

○、△の問題がいくつかあるのであれば、過去問を追加する必要があります。

×の問題が多いのであれば、予備校の講座を取る必要があります。

さて、平成26年度の分析の結果ですが、●と◎が大半を占めていたのですが、〇や△の問題もいくつかありました。

×の問題もありましたが、それは、松本雅典先生の「リアリスティックで何問取れたか?」の分析で、予備校の教材にも記載されていないという情報を手に入れたので、捨て問だと判断しました。

では、分析結果を公表します。

詳細については大分忘れてしまった部分もありますし、全部記載するのは面倒なので、〇と△の問題だけ記載させていただきます。(本来であれば、何問取れるかを示して、市販教材だけでも逃切点が取れることを示した方が説得力があるので、いつかこれはやりたいと思っています。)

  • (午前)更改⇒△
  • (午前)相続⇒〇
  • (午後)登記識別情報⇒△(合格ゾーンの解説まで読んでいれば正解できる問題です。)
  • (午後)工場抵当⇒〇

なんと、〇が2問、△が2問もありました!

つまり、平成26年度は、合格ゾーンをやっているかどうかで、6点~12点の差が付いたことになります。

そして、●と◎だけでは、逃切点ギリギリになってしまうことも判明しました。ケアレスミスが発生し、運悪く点数が下振れしてしまえば、逃切点に届かないことになってしまいます。私は、余裕をもって合格したいと考えていたので、この12点は取りに行くべきだと考えました。

そこで、テキストを十分にこなしてから、つまり、年明けからは合格ゾーンに力を入れました。もちろん、テキストの読み込みも並行して行います。

ここで注意事項なのですが、合格ゾーンはテキストを十分にこなした人が+αとしてやるべき教材だということです。それはやはり●と◎の問題の方が圧倒的に多く、こちらの方がより落とせない問題だからです。

これは、リアリスティックのような過去問の引用が少ないテキストを使用している場合だと状況が変わり、もっと過去問の優先度が高いかもしれませんが、オートマは過去問を十分に引用しているので、合格ゾーンが+αという位置付けで良いことになります。

しかし…

なんと、頑張って合格ゾーンをこなしたものの、平成27年度の本試験問題には○や△の問題は1問も出題されませんでした。

結果論ですが、合格ゾーンをやったことは徒労に終わったことになります。

結局どうすれば良いのか?

どうすればいいのかについては、私の上記の体験談を見て各自判断してください。

平成26年度は、たまたま○や△の問題が多く、平成27年度はたまたま出題されなかったのです。

結局のところ、運の問題になってきます。

合格ゾーンでやったところが、たまたま試験に出れば得点になりますし、たまたま出なければ徒労になります。

しかしながら、私は時間的余裕があるなら合格ゾーンの優先度は高いと思っています。たまたま私の年は合格ゾーンが役に立たなかったというだけで、運の要素を排除して合格したいなら、やっておくに越したことは有りません。合格ゾーンをやっていたら、本試験に明らかに間に合わないという場合は別ですが、テキストを十分にやり込んだ人は合格ゾーンをやるべきです。

(付録)合格ゾーンの使い方

冒頭で述べましたが、合格ゾーンを全部やっていると回しきれません。

私は、迷わずに正誤判定できてかつ正解できた肢は二度と解かないようにしていました。より正確には迷った肢に○印を付けておき、2回目は○印の付いた肢だけ解くようにしました。○印の付いた肢も迷わなくなってきたら、次は○印の上に✓印を付けて、二度と解かないようにしました。超直前期になると○印は合格ゾーン全体を通しても10問程度になりました。

Twitter に20周したと書き込みましたが、合格ゾーンを全部やったわけではありません。超直前期は10問程度を何度も繰り返しました。

今回は以上です。

合格ゾーンは必須という程ではないので、やるかどうかは各自判断してください。

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