ChatGPT(AI) に司法書士の将来性を訊いてみた。

受験以前
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こんばんは。九条です。

今回は ChatGPT(AI) 自身に司法書士の仕事はAIに奪われるか?を訊いてみました。

実は同様のテーマについてカヨウマリノ先生が動画を投稿されています。

(参考動画)

ただ、この動画は、アップロードされた時期的に見て一世代前の GPT-3.5 を使用していると思われます。

本記事では、GPT-4 を使って同じ質問をしてみます。また、司法書士の仕事はAIに奪われるかというテーマについて管理人の意見も述べます。IT技術者としてできるだけ客観的にこのテーマについて述べたいと思います。

参考記事

質問した結果

(質問)

司法書士の仕事は、将来、AIの発達や、社会の情報化によって、なくなったり仕事が減ったりすることはあると考えますか?

(回答)

AI技術や社会の情報化は確かに多くの職種に影響を与えるでしょうが、司法書士の仕事が完全になくなることはないと考えられます。ただし、仕事の内容や役割は変化する可能性があります。

  1. AIの支援による業務効率化: 文書作成や調査などの繰り返し行われる業務は、AIの活用により効率化されるでしょう。これにより、司法書士はより専門的な知識やスキルを活用したコンサルティングや審査に注力できるようになるかもしれません。
  2. 情報化による法制度の変化: 情報化に伴って、新しい法律や規制が整備されることが予想されます。これにより、司法書士は新たな分野の専門知識を身につける必要があるかもしれません。
  3. 顧客対応の変化: AI技術の進化により、顧客対応やコミュニケーションが変化する可能性があります。司法書士は、これらの新しい技術を取り入れた効果的な対応方法を模索することが求められるでしょう。
  4. スキルの再定義: AIや情報化の影響を受けて、司法書士が持つべきスキルや専門知識が再定義されるかもしれません。例えば、法律の専門知識だけでなく、データ分析やAI技術に関する知識も求められるようになるかもしれません。

要約すると、司法書士の仕事が完全になくなることは考えにくいですが、業務内容や役割は変化する可能性があります。AIや情報化に対応できるように柔軟にスキルや知識を更新し続けることが重要になるでしょう。

(質問)

情報化による法制度の変化として、登記業務はどう変化すると予想しますか?

(回答)

情報化による法制度の変化は、登記業務にも影響を与えると予想されます。具体的には以下のような変化が考えられます。

  1. オンライン化とデジタル化: 登記業務は、オンライン化やデジタル化により、より効率的で迅速に行われるようになるでしょう。登記簿の閲覧や申請手続きがオンラインで可能になり、紙の書類を扱うことが減ることが予想されます。
  2. 電子署名やブロックチェーン技術の活用: 電子署名やブロックチェーン技術を活用することで、登記業務のセキュリティが向上し、不正や改ざんのリスクを減らすことができるでしょう。また、ブロックチェーン技術を用いた登記システムは、中央集権的な管理から分散型の管理に移行することが可能になり、効率性と透明性が向上することが予想されます。
  3. AIを活用した自動化: AI技術を活用して、登記手続きの一部を自動化することができるようになるでしょう。例えば、書類の内容確認や不備のチェックなどが、AIにより効率的に行われることが考えられます。
  4. 登記業務の標準化とシェアリング: 登記業務のプロセスが標準化され、異なる地域や国の登記システム間でデータや情報が共有されるようになる可能性があります。これにより、国際的な取引や資産管理がスムーズに行われるようになるでしょう。

これらの変化は、登記業務の効率化やセキュリティの向上に寄与するとともに、新たな技術や知識を要求する可能性があります。司法書士は、これらの変化に適応し、新しい技術を活用して業務を行う必要があるでしょう。

要約すると、仕事がなくなることはないが、AIの発展や情報化に適応するために、司法書士は努力が必要と言っています。

GTP3.5 のカヨウマリノ先生の検証結果と大きく違うところはありません。

※ただし、この質問ではたまたま、GPT-3.5 と GPT-4 で差が出にくかっただけで、両者には圧倒的な性能差があることが判明しています。ChatGPT を業務利用しようと考えている方は、是非課金しましょう。

これは少し前の私の主張とも似ています。AIが普及して淘汰されるのは司法書士というよりは、AIを使いこなせない司法書士だと考えていました。

「4.登記業務の標準化とシェアリング: 登記業務のプロセスが標準化され、異なる地域や国の登記システム間でデータや情報が共有されるようになる可能性があります。これにより、国際的な取引や資産管理がスムーズに行われるようになるでしょう。」

これはどういうことかというと、登記簿が日本国内で閉じたものではなく、世界規模で統一して扱われる可能性について言及しています。これは確かに考えられることですが、私には無かった視点なので「ほう。」と感心しました。

私の意見

10年以内には無くならないが、ずっと未来は分らない。

結論としては、私もカヨウマリノ先生と同じ意見です。

10年以内に無くなるという事は無いでしょうが、我々が生涯を終えるまで存在している仕事かと言えばかなり怪しくなってきました。

司法書士の仕事は、法律や社会の仕組み上、どうしても必要なものなので、そう簡単には無くなりませんが、その社会の仕組みが大きく変化すればどうなるかは分かりません。

参考記事でも述べていますが、AIそのものに司法書士の代替ができないとしても、法整備がAIの発達によって急速に加速する可能性ならあります。

例えば、個々人の持つ債権債務まで情報化されて管理されるようになれば、今の登記制度がそのままの形で存続しているかは怪しいです。またAIの発言している、「登記簿が日本国内で閉じたものではなく、世界規模で統一して扱われる可能性」が実現すれば、これまた登記制度がどうなるかが分かりません。

ただし、ここまでくると、司法書士以外の他の仕事もAIに代替され、社会が今とは大きく違うものになっていると考えれます。

教科書的な回答

カヨウマリノ先生は、AIの回答を教科書的な回答とおっしゃっています。なぜ、こういう回答になるかと言えば、それはAIは自分で考えて回答しているわけではないからです。

プログラミング(ソフトウェア開発)の分野については自分で考えて回答できているようですが、ChatGPT には今のところそれができる分野は限定的で、ネット上で集めた専門家の意見を要約したものを回答していると言われています。

誰しも自分の仕事をAIに奪われたいとは考えません。そのため、現実はどうであれ、自分の仕事はAIには奪われないという専門家の意見が多数派を占めることになります。その多数派の意見を参照して回答を作り上げれば、AIに奪われないという結論になるのは当然です。

ズレた主張

よくAIが普及しても司法書士が無くならない理由として次の理由を上げる方がいます。

  • コンサルティングは人間でなければできない。
  • 人の感情は人間でなければ汲めない。

これらはとてつもなくズレていて、頓珍漢な事を言っています。

コンサルティングは人間でなければできない。は誤り

司法書士の仕事として確かにコンサルティングはあると思います。しかし、AIが得意としているのは創作的な仕事であり、むしろコンサルティングはAIの得意分野です。

コンサルティングは学者の書いた論文等、何らかの科学的根拠に基づいて行われるべきだと思いますが、人間には論文の学習速度でAIに勝てません。

人の感情は人間でなければ汲めない。は誤り

これは、AIに心理学を学ばせれば解決します。むしろ ChatGPT がここまで人気のあるサービスになったのは、人にある程度共感してくれるからだとも言われています。

そして、人間には感情があるため、ストレスを感じてしまいます。人間はストレスを感じれば、それが態度に出てしまいます。AIはストレスを感じないので、むしろ接客に向いているのです。

人間にしかできないことは何か?

これは例えば、現地へ行って意思確認すると言った、本人確認のような業務です。

参考記事でも述べていますが、司法書士にはホワイトカラーとブルーカラーの性質の両方があると思います。(この場合、ブルーカラーとは情報処理のみで完結しない体を動かす必要のある仕事ということです。)

  • コンサルティングは人間でなければできない。
  • 人の感情は人間でなければ汲めない。

等ではなくなく、こうしたブルーカラーの性質があることが司法書士という仕事の本来の「強み」だと思うのです。

もっとも、それも社会の情報化が進めば不要になる可能性はあります。

本当に警戒すべきなのはAIではなく社会の情報化

AIによって司法書士の仕事が代替されてしまうこと、本来警戒すべきはそこではありません。警戒すべきは、既に述べた通り、社会の情報化が進み、登記制度がなくなる(少なくとも大きく変化する)ことです。

AIはこれとは無関係ではなく、AIが発達することで法整備が急速に進み、登記制度がなくなるという事態は考えられます。(何せ、法整備は創作的な仕事であり、AIの得意分野です。)

司法書士は無くなっても司法書士試験は残るかもしれない。

私は、「司法書士は無くなっても司法書士試験は残るかもしれない」と考えています。例えば、今でも漢字検定のような全く実用性の無い趣味検定が人気資格になっている現状があります。

これと同様、司法書士試験も趣味検定としては残るのではないかと思います。

自分の保身のために技術の進歩を拒絶する人にはなりたくない。

私は、Twitter でこんな主張をしています。

自分の仕事が無くなって欲しくないと思うのは、人として当然の気持ちかと思いますが、それが行き過ぎて技術の進歩を拒絶するような人にはなりたくないと思っています。

というか、こういう人達がいるとしたら、不合格者の僻み以上にみっともないと思います。

ちなみに、こういう技術の進歩の拒絶をテクノフォビアと言います。

私はプログラマですが、技術の進歩はワクワクすることであり、プログラマの仕事をAIが奪うなら、それはそれで構わないとも思っています。

プログラマの仕事がAIに奪われたら何をするか?

そもそもの話ですが、プログラマの仕事が完全にAIに奪われる頃には、ベーシックインカムが完全に確立されていると予測しています。生活には困らないわけです。

プログラマの仕事がAIに奪われたら何をするか?という事については、今のところ3つほど案があります。

ひとつは文筆家です。ブログや有料記事の読者から筆力を褒めて頂くことが多いので、これで身を立てるというのがひとつの選択肢です。

もうひとつは、プログラミングを教える側に回るということです。プログラマの仕事がなくなったとしても趣味のプグラミングには依然として需要があると思います。

私はプログラミングの勉強をするために、お小遣いを貯めて関数電卓を買った経験があるのですが、AIにはそうしたドラマを語ることができません。

この点は、人間の講師に需要があるのではないかと思います。

3つ目は、純粋なブルーカラーの単純作業です。私は、単純作業は苦手ではないので、この先の時代ではこれが大きな強みになるのかなと思っています。

ブログ作成の加速

余談ですが、ChatGPT があるおかげで、ブログの作成は加速しています。

ChatGPT の回答そのものは当たり障りのないものであり、そのままブログに投稿することはできませんが、本記事のように ChatGPT の回答と自分の意見を比較しながら述べるというのは、記事の書き方としては大変有効だと思います。

こうした、ブログの作成もAIが発達しても残る仕事だと考えています。

というのは、先に述べた通り、AIには「体験に基づくドラマ」を語れないからです。

最後に

今回は、AIに司法書士の仕事が奪われるかと、それについて自分の意見を述べました。

次回は、松本雅典先生の「予備校は不要ではないという意見」に関する動画について反対意見を述べたいと思います。

(参考動画)

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