【司法書士試験】本試験の結果を踏まえた上での自己分析の仕方

司法書士試験
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こんにちは。九条です。

司法書士試験が終了し、1週間が経過しましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。

合格しているだろうという自信を持てない方の中には、来年度どうするかを既に考え始めている人もいるかと思いますが、そのためには、今年度の試験結果を元に、自己分析をして、その上で次の戦略を考えましょう。

模試は自己分析の機会になります。そこで本試験の傾向をできるだけ反映した模試を受験することが望ましいのですが、模試は所詮模試に過ぎません。本試験の傾向を反映しているといっても本試験には及びません。

そこで、不合格になった方にとっては、本試験を模試だと捉えれば、最高の模試の経験になるということになります。

手持ちの教材で何問取れたか?

今年度の問題は手持ちの教材で何問取れたか?は必ず分析しておく必要があります。予備校によっては講師が分析を発表することもありますが、そういうものが無い場合は、自分で分析する必要があります。

択一の間違えた問題は、いくつかに分けることができます。

  • テキストに記載が無い完全な未出の問題
  • テキストに記載があるが、記憶を妥協した知識の問題
  • テキストに記載があるが、読み込みが甘く見落とした知識の問題
  • テキストに記載があるが、思考を要する問題で、思考を誤った問題
  • 凡ミス(解けるはずの問題を解けなかった。)
  • そもそも知識を要しない、思考を要する問題で、思考を誤った問題(いわゆる学説問題)

「テキストに記載が無い完全な未出の問題」は、通常は正解できる必要のない問題(いわゆる捨て問)です。通常は、という言い方をしたのは、もしもテキストの情報網羅性が低く、あまりに「テキストに記載が無い完全な未出の問題」が多いようであれば、テキストの変更を検討する必要があるかもしれないからです。逃げ切りに達するかどうかが判断の基準となり、逃げ切りに達するだけの情報を網羅していないテキストは変更する必要があります。ただし、テキスト1冊のみでそれだけの情報を網羅している必要は必ずしもありません。サブテキスト(必出3300選のような暗記本)や過去問で補って逃げ切りに達するのであれば、直ちにダメなテキストということにはなりません。

その他の間違いに対しては、基本となる対策は同じです。思考を要する問題であろうが、そうでなかろうが、知識の精度を上げることが対策になります。そのためには、テキストを何度も繰り返し読み込んで、知識を頭に焼き付けていくしかないというのが私の考えです。

「記憶を妥協した知識の問題」については、これは単純な勉強不足です。このように勉強を妥協して、そこがもし出題されてしまうと大変後悔することになるため、最低でもテキストに書かれていることは妥協無く全範囲を学習すると言うことを心がけていただきたいと思います。

「読み込みが甘く見落とした知識の問題」については、テキストの読み方が悪いと言えます。知識を見落とさないように注意深くテキストを読んでいく必要があります。例えば、オートマなら、大事な知識がコラムに書かれていることがあります。大事な情報なのに見落としてしまいがちになります。テキストを読む上で、無意識的に読み飛ばしているところが無いかを何度も自問してみる必要があると思います。そして、無意識的に読み飛ばしているところには、マーカーを引いて、特に注意深く読むと言うことが有効です。

「思考を要する問題で、思考を誤った問題」については、その場で考えが及ばなかったことを悔やみがちになりますが、私は多くの場合、知識の精度が甘いことに起因すると思います。既に十分に理解していると思う分野であっても、舐めてかからずに勉強することが必要です。何度も勉強を繰り返しているうちに新しい発見があるかもしれません。よって、基本的な対策としては、上の2つと同じになります。

「凡ミス」については、どうしようもないという割り切りも必要です。注意深く解くと言うことをしようにも、人間の注意資源には限界がありますし、1問1問をあまりに注意深く解いていれば、時間切れを起こします。これに対する対策としては、圧倒的な成績で合格を目指すことです。凡ミスしても影響がないぐらいの成績を取れるような勉強をしていれば、1問や2問の凡ミスで、不合格になることはありません。このためには、やはりテキストに書いてあることは徹底して妥協無く暗記すると言うことが必要で、具体的な対策としては、上の3つと同じになります。

「テキストに記載があるが、思考を要する問題で、思考を誤った問題」については、私自身がこれといった対策をしなくても得意だったので具体的な解決方法を示しにくいです。これについては、予備校の学説問題対策専用講座のようなものがありますから、もし苦手意識があるならそういうものを受けてみると良いと思います。

点数の内訳はどうか?

今後の勉強方針を考える上で、点数の内訳は重要です。

よく今年はダメだったと主張される方に、午前午後共に20問程度という方がいます。詳しいデータを持っていませんが、もしかするとこの成績帯の人は司法書士試験の受験生の中でも最も多いのかもしれません。

点数の内訳として、仮に民法と不動産登記法がほぼ満点で他がゼロ点だったのか、まんべんなくできていないのかで全く勉強の進捗が異なります。

異論はあるかもしれませんが、個人的な意見を言えば、前者の方が圧倒的に勉強が進んでいます。というのは、この試験ではどの科目でも満点近い点数を取る必要があり、半分程度しか得点できないという状況から、満点近い点数を取れるまでに要する努力が非常に大きいからです。

20問近く取れるなら、今の倍の努力をすれば、合格できるだろうと思う方もいるかもしれませんが、経験則上そうではなく、もっとたくさん、もしかしたら10倍以上の努力をしなければならないかもしれません。そして、もっと大きな問題としてまんべんなく20問しか獲れていなかったという人は、勉強の仕方をどこか間違えている可能性もあります。

一方、民法と不動産登記法がほぼ満点で他がゼロ点だった人の場合、単純に会社法以降の科目に着手できていないだけで、これまでの勉強の仕方は合っていたことになりますし、どれくらい努力すれば良いかも見積りができている状態だと思います。これに該当する人の場合、会社法以降は今まで勉強してきたことの繰り返しです。試験範囲をどれだけ知識としてカバーできているかで言えば、半分近くまでは来ているのです。

※もっとも、会社法以降の科目は民法や不動産登記法の復習も並行しなければならないという大変さがありますし、記述も残っているので全く油断できる状況ではありません。

中上級者向け講座を取るか?

中上級者向け講座を取る場合、予備校の想定している成績帯に自分が合致しているかを検討する必要があります。

中上級者向け講座を取ったものの、実は勉強が全く進んでいなくて付いて行けなかったという話を目にしたことがあります。

自分の実力を過信しないことが大切です。

もし、心配であれば、大抵の予備校はカウンセリングサービスを行っていますので、そちらで相談をしてから決めると良いと思います。

管理人の発言について

実は管理人はこのような発言をしたのですが、やや厳しい言い方で不快に思われた方もいるかもしれません。

 

これは特に根拠のない直感です。私は、今年受験してもいないので、たわごとだと聞き流してくれた方が良いかもしれません。この発言をした段階では、実際に今年の商業登記記述の模範解答を見れていなかったのですが、その後、実際に見たら、これが合否の分水嶺になる可能性は低いんじゃないかと思いました。というのは、合同会社の問題の回答欄が狭すぎて、そんなに高配点には見えないからです。

というわけで、この発言は少々撤回させていただきたいのです。オートマに載っていることを落としたら不合格とまでは思いません。

ただ、オートマで情報が足りないと主張する方は、大抵オートマすらも完璧になっていません。オートマに載っていることを一字一句完璧にして臨んだ方が、運の影響を受けたり、後々悩んだりしないのは事実だと思います。

note のサークルについて

最後に、宣伝となりますが、私の note のサークルに加入いただいた方には、自己分析のお手伝いをさせていただきます。参加料は500円/月で、現在2名の参加者がいらっしゃいます。当サークルでは、まだルールの整備ができておらず、やや場当たり的な運用になる面もあると思いますが、どうかご了承ください。ルールの整備はこれから急いで進めて参ります。

https://note.com/kyouzai_design/circle

※ただし、私は講師ではありません。試験範囲のこの論点を説明して欲しいとか、過去問を解説して欲しいとか、出題予想をして欲しい、と言った質問には、お答えできかねます。また、今年受験しておりませんので、今年の基準点予想や本試験の講評も無理です。

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