こんにちは。九条です。
Twitter を眺めていますが、司法書士試験は超直前期のムードが漂っていますね。
模試で圧倒的な成績を出している方もいれば、直前期なのに成績が振るわないという悩みを見かけることがあります。
そこで今回は、模試の成績別に今後どう行動すれば良いか?を検討していきたいと思います。
あくまでこの記事は、どうすれば良いか?という具体策を示します。余りメンタル面のお話はいたしません。
また、自己責任でお願いします。「はじめに」にある通り、私の助言を信じた結果、不合格になったとしても全く責任は取れません。
管理人の超直前期の成績
最初に、管理人の超直前期の成績について説明させていただきます。
「プロフィール」を見て頂きたいのですが、管理人はほぼ1年合格です。
直前期の模試の成績は、失念した部分もありますが、次のようなものでした。
- 伊藤塾さんのプレ模試 30/30(記述の採点無し。順位発表無し。)
- 伊藤塾さんの模試第1回 33/33(全国順位5位/約1500人、判定:S)
- 伊藤塾さんの模試第2回 33/30(全国順位22位/約1500人、判定:S)
ちなみに、この成績を見て、私は悔しいと思いました。このままではダメだと思いました。
というのは、全国1位合格を本気で狙っていたからです。
模試の成績の重要性
私の成績も参考材料にして頂ければと思いますが、模試の成績は重要です。模試で高得点、高順位を出せる人は、本試験でも高得点、高順位になる可能性が高いです。
そのため、現状で模試で高得点を取れるのであれば、その方が安心できると思います。
しかし、模試の結果が振るわなくとも、本試験で圧倒的な成績で合格できたという人がいるのも事実です。
というか、受験後にお会いした合格者の中には、そういう方がそれなりにたくさんいました。
これはよく、合格者は模試のために勉強しているのではなく、本試験だけを見て勉強しているからだと言われています。直前期の知識の詰込みは、これまでに積み重ねてきた勉強を覆してしまうだけの効果があるということですね。
ただ、私はこの考え方は好きではなく、専業受験で1年合格を狙うならば、最初から最後まで全力で走って、直前期は模試で圧倒的な成績を出し、本試験でも圧倒的な成績を出すのが一番望ましいと思います。(もっと言えば、模試でも本試験でも全国1位を取りたいですね。)
模試の成績が少々振るわなくとも、諦めずに勉強すると言うことは大事だと思いますが、これは成績次第なところがあります。例えば、午前午後共に7問しか取れないような状況であれば、ランダムにマークしたとしても、確率論上7問は取れるのですから、学習進捗は1割にも満たないということになります。
では、これから何をすればいいか?
以上を踏まえたうえで、これから何をすればいいかについて解説します。
管理人より圧倒的な成績の場合
これはつまり、択一で33/33以上、択一が基準点ピッタリでも記述で挽回も可能だという成績の場合です。
この場合は、全国1位合格も十分に可能だと思いますので、現状を維持し、試験まで実力を維持し続けることを考えれば良いと思います。
管理人と同程度の成績の場合
※最近は択一の逃げ切りに必要な点数が上がってきているので、管理人が受験生だった頃とは環境が変化している可能性があり、このアドバイスは陳腐化している可能性があることを先にお断りしておきます。
これはつまり、択一で30/30以上、および(または)記述で基準点を少し上回るだろうぐらいの成績の場合です。
この場合、どの程度目標を達成できているかが重要です。
直前期に入る前に、直前期はここまでやりたいとか目標を立てると思いますが、その達成率によって行動を決めていく必要があるかと思います。
例えば、テキストを何周、過去問を何周、オートマ記述式を何周といった具合です。
ここまでやりたいという目標を達成できていないとすれば、その目標を達成するために引き続き頑張ればよいでしょう。
目標を達成できている場合は、現状維持ではなく、更に良い成績を目指して手を広げるのも良いかもしれません。
ただし、手を広げるのであれば、手持の教材(特に、テキストと過去問)を完璧にできていることが条件です。
手を広げる場合のお勧めとしては次のようなものがあります
- 条文を読む。
- 記述の中上級者向け講座を取る。
どちらがよりお勧めかと言えば、これは個々人の置かれている状況によって異なるのですが、私は、記述に苦手意識があったものの、ちょっとこなしきれる自信が無かったので、条文(特に民法)を読みました。
それでは、それぞれの手の広げ方について詳しく見ていきます。
条文を読む。
これは説明が結構長くなります。別途条文の読み方という記事を書いて、今回はサラっと説明しようと思います。
条文がお勧めできるのは、勉強が極まっていて、予備校の講師の受験センスを、もはやあてにしていないと考える人に対してです。
条文は、判例六法を1冊買うだけでよく、かなり細かい情報まで網羅されいて、非常にコスパの良い教材です。
条文の読み込みが役に立つのは次の分野です。
- 憲法(統治)
- 民法
- 会社法
- 民事訴訟法
民法だけは、条文だけでなく判例も重要です。できれば、判例六法のような判例まで記載のある六法を使いましょう。
条文を読むときのコツとしては、1回目の読み込みで、明らかに試験にでないような条文や判例には印を付けてしまうことです。逆に試験に出そうな条文に印を付けても良いですし、既出と未出で色分けしても良いです。
そして2回目以降の読み込みでは、明らかに試験にでないような条文や判例は飛ばして読みます。
3回目、4回目ぐらいから記憶に残るようになり、点数に結び付くようになるはずです。
もちろん、テキストや過去問に無くて、条文にある知識が本試験に出題されること、というのが前提条件ですが、3点ぐらいは伸ばせる可能性があります。
あくまで3点程度ですから、コスパが悪いという人がいても全くおかしくありません。自分の状況をよく見極めたうえで必要だと思うならやりましょう。
記述の中上級者向け講座を取る。
伊藤塾さんの記述の中上級者向け講座がお勧めです。
この講座は、ボリュームがそれほど大きくないので、今から始めてもこなすことは可能でしょう。
ただし、今から講座を申し込んでも、試験までに教材が届くのが間に合わない可能性もありますので、その心配があるなら伊藤塾さんに問い合わせてから申し込むべきです。
私自身はこの講座を受けていないのですが、掲示板で的中(講座と類似した問題がそのまま本試験に出題されること)が度々あったという噂も聞いています。例えば、平成26年度の信託登記は的中したという噂がありますし、平成26年度の組織変更は的中したと、伊藤塾さんの講師がコメントしていました。
管理人より下の成績の場合
※最近は択一の逃げ切りに必要な点数が上がってきているので、管理人が受験生だった頃とは環境が変化している可能性があり、このアドバイスは陳腐化している可能性があることを先にお断りしておきます。
これはつまり、択一で基準点以上、および(または)記述が基準点を突破できるか怪しい、ぐらいの成績の場合です。
この場合、どちらか片方が苦手で片方はまだ余裕があるという場合は、苦手な方を優先して対策しましょう。
択一が30/30に達しない場合は、テキストと過去問のやり込みが不足しています。下手に手を広げずに、テキストと過去問をやりましょう。答練や模試の復習も、テキストと過去問を優先すべきなので、やめた方が良いです。
答練や模試の復習をやると、試験に絶対に出ないような肢にかまけすぎるリスクがあります。それを瞬時に見極められるならやっても良いのですが、択一が30/30に達しない場合は、それは難しいかもしれません。
記述が基準点を突破できるか怪しい場合は、基本的な問題の繰り返しと暗記が不足しています。もしオートマ記述式を持っているならオートマ記述式を繰り返し解くことをお勧めします。オートマ記述式を持っていないなら、今から調達してもこなしきれないリスクがあるので、お手持ちの予備校教材を解きましょう。
もしも、予備校教材がオートマ記述式ほど網羅性が高いものでない場合は、こなしきれないリスクがあったとしてもオートマ記述式を調達すべきだと思います。網羅できていない場合は、網羅できていない教材でいくら勉強を頑張っても合格できないからです。
択一で基準点以上(かつ30/30に達しない)、および記述が基準点を突破できるか怪しいの両方に当てはまる場合は、どちらを優先するか難しい所です。
次の記事も読んでください。
(参考記事)司法書士試験において、択一を記述よりも優先するべき4つの理由
ここでは、択一が苦手だと択一が基準点を割るリスクがあり、記述をそもそも採点してもらえなことがあることから、択一を優先すべきだとしています。
しかし、人によっては非常に択一が苦手な人もいます。択一が基準点に達しているのに択一が逃切点にどうしても達しないという人もいます。
その場合は、思い切って記述挽回を狙ってはどうでしょうか。
記述挽回の方法としては、オートマ記述式のやり込みです。オートマ記述式を6周もすれば、問題と相性が悪くない限りは、記述の基準点を大幅に上回ることができるようになると思います。
オートマ記述式のやり込みも十分できて、もっと手を広げたいという場合は、上の方でも挙げた講座がお勧めです。
ただし、今から講座を申し込んでも、試験までに教材が届くのが間に合わない可能性もありますので、その心配があるなら伊藤塾さんに問い合わせてから申し込むべきです。
択一が得意で記述が苦手な場合
択一が逃切点近いのに、記述が基準点を大幅に割るという場合、記述対策を優先すべきなのですが、その前に、本当に自分は記述が苦手なのかを検討してみる必要があると思います。
択一が苦手で記述に割り当てる時間が無くなっていないでしょうか?記述は最低でも不動産登記法に1時間を、商業登記法に1時間を割り当てるべきです。そのためには、午後択一を1時間で解き切る必要があります。
記述の対策が十分なのに、時間切れを起こす場合は、模試や本試験では記述で点が取れないという人がいてもおかしくありません。その場合は、択一の練習が必要です。
詳しい解き方については別の記事にしようと思いますが、午後択一を1時間で解き切るためには、組み合わせ問題で全肢検討をやってはいけません。問の正解を出すのに必要な肢だけ正誤を検討しましょう。
なお、択一が苦手(基準点を大幅に下回る)で記述が得意(満点近い)と言う人はいないと思うので省略します。
圧倒的に及ばない場合
模試の結果が振るわなくとも、本試験で圧倒的な成績で合格できたという人がいるのも事実です。
そのため、諦めないで勉強するのも大事ですが、来年どうするかも考えておいた方が良いかもしれません。というか、私も来年どうするかは考えていました。
(参考記事)令和2年度司法書士試験で不合格になった場合に今後どういう勉強をすればいいか?①
他の記事でも述べていることですが、講座を選ぶにあたって、自分の実力を過信しないことが大切だと思います。中上級者向けの講座を取る場合は、その講座が想定している学習レベルに到達していなければ、講座に付いて行けずに、お金をドブに捨てることになります。
これに加えて、成績の内訳も重要だと思います。例えば、民法と不動産登記法が満点近く取れていて、他の科目が0点近いのであれば、学習進捗としては順調で、総合点が低い理由は、単純に時間が足りていないだけです。この場合は、勉強方法は大枠で間違っていないのですから、これまでの勉強方法を維持して努力を続けていれば、今年はダメでも来年は合格できる可能性が高いです。
一方で、まんべんなくできていないという場合、勉強方法が根本的に間違っていた可能性があり、勉強方法を見直す必要があると思います。
最後に
今回は以上です。
今回は、模試の成績別に、今後どう行動すれば良いか?を検討しました。
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