【司法書士試験】情報の一元化の具体的な方法

司法書士試験
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こんにちは。九条です。

前回の記事で、「情報の一元化」と「検索先の一元化」について考察しました。

少なくとも現時点の私には「検索先の一元化」の意味が分からないと述べました。

そして、「情報の一元化」は、テキストが合格に必要な知識を網羅できていない場合に有効な方法だと述べました。

テキストが合格に必要な知識を網羅できるいるいないにかかわらず、情報の一元化には賛否があり得るだろうと述べました。これはゲームのバフ以上に、非常に複雑な要因が影響してくるからです。

ここでは、「情報の一元化」をする場合に、具体的にどのようにすればよいのかを見ていきます。

参考資料

【司法書士試験】「情報の一元化」と「検索先の一元化」

改めて「情報の一元化」とは

※「参考資料」と内容は全く被ります。

情報の一元化とは、試験の直前期までに、この情報源だけを見れば完璧だ、というところまで情報源をカスタマイズし、直前期はカスタマイズした情報源に集中するという勉強方法です。

メインテキストとは別にサブテキストを用意し、直前期までにサブテキストに書き込みをしたり、付箋を貼ったりして、メインテキストや過去問、答練から知識を拾って、サブテキストに足していきます。

なぜこんな方法をするのかと言えば、メインテキストが合格に必要な情報を網羅していないからというのと、実際にやってみればわかりますが、毎回毎回複数のテキストを読んでいたら非常に効率が悪いからです。

多くの場合、これは司法書士試験では定石とされ、多くの受験生が実施していますし、私もやっていました。

情報の一元化の注意点

大前提として、逃切点を取るのに十分な情報を1シリーズのみで網羅したテキストを保有している場合は、情報の一元化は考えずに、そのテキストをひたすら読み込む方が有効かもしれません。そのテキストが使いにくいのでまとめ本で補いたいという場合や、逃切点を取るのに十分な情報を網羅したテキストが無い場合に、必要になってくるのが情報の一元化です。

また、参考資料で次のように述べております。

総合ターン数は一発合格を狙うなら1年ですが、情報の一元化の作業に入るのは、テキストや過去問の理解がある程度進んでからではないと無理なので、いつ情報の一元化を始めるのかという問題があります。ゲームの事例では開幕1ターン目にバフを詠唱しましたが、司法書士試験では1ターン目に詠唱できません。

このように、情報の一元化はある程度学習が進んだ人が行うべきです。

というのは、サブテキストに記載されていないのにメインテキストに記載されている知識を探すには、両者の理解と暗記が進んでいることが必要です。

当たり前の話ですが、情報の一元化は直前期までにはあらかた終わらせておく必要があります。

軸を決める

情報の一元化をするにあたって、最初に必須となるのが軸となるテキストやサブテキストを1種類に決定してしまうことです。

軸と言うのは、例えば付箋を使って情報を足していったりするわけですが、その付箋の貼り付け先となります。

試験の直前期になって、そこだけを見ていればよいという作り込みの対象となる教材です。

もちろん、それ以外の教材も見て良いのですが、それらは補助だと位置付けます。

私は、必出3300選を軸にしました。現代であればケータイ司法書士もありますし、直前チェックのような教材を軸にする人もいるかもしれません。

この軸として、メインテキストではダメなのか?と思う方もいるかもしれません。

これは、絶対に無しではありませんが、あまりお勧めはしません。

というのは、メインテキストの半分程度の内容は、本試験に持って行くべき知識そのものというよりは、理解に必要でも本試験で直接使わないような冗長な記述になっており、メインテキストは繰り返し読み込みがやり辛いのです。サブテキスト(まとめ本)ではこのような情報は省かれているので、繰り返し読み込みがし易くなります。

繰り返し読み込みの必要性については、ほとんどの受験生が主張しており、私も同じテキストを如何に高速に繰り返し読み込みできるかは、司法書士試験では大事な事だと思います。

情報の一元化の方法③つ

具体的には③つあります。

  • ①軸に付箋を貼る。
  • ②軸に書き込みをする。
  • ③軸以外の教材にマーカーを引く。

③つ目の「軸以外の教材にマーカーを引く。」という方法は、「情報の一元化」と関係ないのではないかと思われる方がいるかもしれません。これは、「情報の一元化」を、軸に情報を足していき、軸だけを読めば万全であるという状態に持って行くという視点からするとそうなるでしょう。

ですが、私は、「情報の一元化」を、「試験の直前期になって、そこだけを見ていればよい」ような状態にすることだと広い意味で捉えており、この場合は、マーカーを引くという行為が大変有効になります。

それに、軸はひとつに決めますが、軸以外の教材を直前期になって使用しないとは、私は述べていません。

それ以外の教材も見て良いのですが、それらは補助だと位置付けます。

と記載したのはそのためです。

では、順に見ていきましょう。

軸に付箋を貼る。

これが一番普及している方法だと思います。

サブテキストに無い情報を、テキストや過去問、答練・模試、条文から拾って足すのです。

例えばですが、私は必出3300選の商業登記法の登録免許税のページにこんな付箋を貼っていました。

非常に分かり辛い、というか貼った本人すら意図を思い出せない部分がありますが、これは必出3300選の登録免許税のページにないが、オートマシステムにある登録免許税の額を拾い集めて来たものです。

個人商人の登記のような非常にマイナーな論点の登録免許税の額が記載されています。

「えっ!そこまでやるの?」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、何度も言うようにオートマシステムは掲載情報量が少ない部類のテキストであり、これに記載されていることは、どの受験生も一度は目にしている可能性があるので、細かい知識でも落とせません。

実際にはこのような知識が必要となる問題は平成27年度には出題されませんでしたが、決して間違ったことはしていなかったと思っています。

募集株式の発行のところは手続きの流れが複雑なので、こんな付箋を貼っていました。

いわゆる、フローチャート(流れ図)です。

細かいことですが付箋の色の問題があります。

【司法書士試験】究極の受験テク – y軸問題を自作する。 –で解説しましたが、サブテキストに y軸の意味で難しい問題を新設する際に使う付箋と、情報を書き足すための付箋では意味合いが違ってくるので、色を違うものにした方が良いでしょう。

私は、前者には黄色の付箋を、後者には水色の付箋を利用していました。

軸に書き込みをする。

付箋を貼るほど文字数が多くない場合にこちらの方法を使います。

これについては具体的にイメージを持ちやすいでしょうが、一応具体例を挙げておきます。

必出3300選の画像を投稿するのは著作権上の問題がありそうなので、文章で説明させていただきます。

私は「役員等の責任の一部免除」について次のような書き込みをしていました。赤字の部分が自分で書き込んだ部分です。

  • 株主総会決議による免除の対象者
    全ての役員等
    発起人:×
    清算人:×
    代取:〇
  • 取締役等による免除の対象者(各監査役の同意必要)
    全ての役員等
    同左

特に説明の必要はないでしょう。全ての役員等だけでは見落としがちなので、発起人、清算人、代取はどうなのかについて追記しました。

また、取締役等による免除をするのに、各監査役の同意が必要なのですが、必出3300選にこの注意点は記載が無かったので追記しました。

軸以外の教材にマーカーを引く。

これは、先に説明した通り「試験の直前期になって、そこだけを見ていればよい」ような状態にする行為です。

軸以外の教材は補助だと位置付けます。

受験生時代に使っていたオートマシステムを捨ててしまったので、こちらも画像を提供することができず、イメージを持ちにくいかもしれませんが、説明します。

繰り返しになりますが、情報の一元化はある程度学習が進んでからすべきものです。特にこの方法はかなり学習が進んでいないと実行できません。

具体的には、メインテキストに対して、軸に載っておらず、メインテキストにしか載っていない知識にマーカーを打って行くという方法です。

もう少し付け加えると、試験に絶対に出ないような知識や、数回読めば理解できてしまうような知識には、たとえ軸に載っていないとしてもマーカーを打ちません。

こうしておくと、何が良いかと言えば、メインテキストのマーカーの打たれた部分だけを読んで、他の部分を読み飛ばすことで、非常に高速にテキストの繰り返し読み込みが可能になるのです。

普段は軸で最重要論点を押さえつつも、細かい知識を吸収する余裕が出てきたら、このような読み方をすることで、メインテキストから細かい知識だけを拾うことができます。

管理人はマーカーを3色使い分けていたのですが、この用途で使う場合は、フリクションの赤のボールペンを使用していました。

マーカーの打ち方としては3種類あります。

  • マーカーを打ちたい部分が1行か2行の文章の場合は、その行に赤の下線を引きます。
  • マーカーを打ちたい部分の行数が多く複数の段落になっている場合は、ページの左余白に大きな赤の『{』(括弧)を書いて、ここからここまで、という風に指定します。
    実際には、私は〇と|を組み合わせた独特の記号を使っていたのですが、『{』でも構わないと思います。
  • 章の内容が全部軸に記載されていないというときは、章のタイトルを大きく赤丸で囲みます。例えば、工場抵当の論点は必出3300選にはほぼ記載がありませんが、重要論点ですので、この方法でオートマシステムの工場抵当の章のタイトルを大きく赤丸で囲んでいました。

ちなみに、この手法は過去問を解くときにも使えます。詳しくは、合格ゾーンの使い方という記事を書いて考察する予定です。

同様に、条文を読むときにも使えます。

最後に

以上です。

今回は、情報の一元化の具体的な方法(マーカーの打ち方を含む)を解説しました。

マーカーの打ち方には他に2通りの方法があり、次回はマーカーの打ち方全般を解説したいと思います。

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