【司法書士試験】お試し受験はした方が良いですか?

Q and A
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質問:お試し受験はした方が良いですか?

今回はこの質問に回答していきます。

司法書士試験の出願期限が5月に迫っておりますので、お試し受験をするかどうかで出願を迷われている方もいるでしょう。なので、早めに書かせていただきました。

管理人はお試し受験の是非については明確な意見を持っています。

この記事は来年合格を目指す方向けの記事です。今年受験する方には有益な情報ではありませんので、読み飛ばしていただいて構いません。

参考記事

模試との付き合い方

最強の模試

お試し受験とは

お試し受験とは、合格する見込みが一切無いのに、とりあえず受験することです。

合格する可能性が僅かでもあるなら、それはお試し受験とは言いません。

お試し受験をすることで、次のようなメリットがあると言われます。

  • 本試験の雰囲気を味わうことができるので、来年になって本気で受験するときに、この経験が生きてくる。
  • 最新の過去問をいち早く入手できる。
    このメリットは弱いです。最新の過去問は8月に公開されますから、それを待っても遅すぎるということは有りません。

記述を採点してもらうことで自分の実力を確かめることができることを、お試し受験のメリットに挙げる方もいます。しかし、択一基準点を突破している方は合格の可能性が僅かでもある方に該当するため、私の考えでは、それはそもそもお試し受験とは言えません。

管理人のお試し受験

プロフィール」に記載の通り、実は、私は平成24年度にお試し受験をしました。平成27年度に合格していますから、合格の3年前のことです。

当時の択一式の知識と言えば、「うかる! 司法書士 主要5科目で学ぶ入門テキスト(伊藤塾)」を1回通読しただけでした。そもそも試験範囲を網羅したテキストを1回も読んでいませんし、過去問も当然やっていません。

当時考えていたのは「5択の試験なので、何も考えずにマークしたとしても、奇跡的な幸運に恵まれれば、記述の採点をしてもらえるのではないか?」ということでした。

そして、記述の採点をしてもらえた場合に備えて、記述を白紙で出すことだけは絶対に避けたいと考えていました。そこで、択一よりもむしろ記述対策を重視しておこうと考えたため「うかる! 司法書士 記述式対策(蛭町浩先生 著)」を1回通読して受験に望んだのを覚えています。

「うかる! 司法書士 記述式対策(蛭町浩先生 著)」は難解な部類の書籍に入りますし、択一の知識があることを前提としていますから、理解できるはずがありません。「元本確定」と言う言葉の意味さえ分かりません。理解できないものを読み込むのは大変な精神的苦痛を伴いますが、訳も分からないままがんばって1回通読しました。

以上から、お試し受験対策に使用した教材は次の3冊だけです。これらを1回通読しただけで受験しました。

  • うかる! 司法書士 主要5科目で学ぶ入門テキスト
  • うかる! 司法書士 記述式対策 不動産登記法
  • うかる! 司法書士 記述式対策 商業登記法

絶対に受かるはずがありません。(笑)

そもそも、マイナー科目に至っては通読さえしていないですし。

成績は合格に遥かに及ばないものでした。択一の基準点にすら遥かに及びません。何点だったかももう忘れてしまいました。当然の結果ですし、悔しいとかそういう気持ちもありませんでした。

お試し受験の最中は、とにかくまぐれで記述の採点に進むことだけを考えて、もはや問題文すら読まずにランダムにマークしていました。これは、かなり苦痛を伴う時間であり、受験中は、「早く制限時間来てくれ~!」と思っていたのを覚えています。ただ、それでも最後まで受験はしました。

大変な精神的苦痛を伴いながら行った記述対策もまるで役に立たず、記述の回答もほぼ白紙で提出することになりました。

お試し受験の後は、仕事をしながら合格者のブログや体験談を読み漁り、ひたすら情報収集をしていました。テキスト等は読んでいません。そして、仕事をしながらでは合格できないと考え、平成26年の7月に会社を辞め、受験に専念しました。

その後、1年で平成27年度に司法書士試験に合格しています。

コロナウィルスの影響

さて、お試し受験の是非について論じますが、今年はイレギュラーです。

コロナウィルス感染のリスクがあるので、お試し受験は絶対にお勧めしません。

感染した場合、勉強に支障が出るのはもちろんですが、最悪の場合は命に係わります。

では、ロナウィルスの影響が無い平時であればお試し受験をした方が良いのかと言えば、それでも私はお試し受験をお勧めしません。

しかしながら、「合格の可能性が1%でもある」と見積もるならば受けてください。それはお試し受験ではありません。本当の勝負です。

お試し受験はお勧めしない

私がお試し受験をお勧めしない理由は次の通りです。

  • 時間の無駄である。
  • 無効な勉強をしてしまう。
  • 本試験の雰囲気なんて味わえない。
  • 最新の本試験問題を模試の代わりに使えなくなる。

事実、私は合格した年度の1年前である平成26年度司法書士試験を受験していません。

時間の無駄である。

仮に本試験の1年前であっても、勉強時間が1分でも1秒でも惜しいという心境になります。実際に、私がそうでした。

お試し受験をするとなると、受験当日は1日拘束されてしまいますし、願書を取りに行ったり、提出に行ったりするのにも時間がかかります。もっと言えば、願書に記入する時間や証明写真を撮る時間も無駄です。

この無駄な時間は、テキストを読み込み、過去問を解く時間に割り当てるべきです。

そして、私がそうなのですが、外出するとその日の勉強のペースが狂ってしまうという人もいます。

外出して願書を提出した後、勉強をする時間はあると思いますが、提出に行ったことで疲れてしまい、その日は勉強をする気が起きなくなるという人もいるでしょう。

無効な勉強をしてしまう。

私のお試し受験の体験談をお読みいただいた方には分かると思います。

お試し受験を予定していると、記述の採点をしてもらえた場合に備えて、記述を白紙で出すことだけは絶対に避けたいという思考が働いてしまいます。

そのため、択一式の学習が終わる前から、記述式の学習に着手するという無茶な勉強をやってしまう可能性があります。

司法書士試験は択一式が圧倒的に重要な試験で、しかも択一式が理解できないと、記述式の勉強をしても全く理解できませんから、これは非常にまずい勉強方法です。

こうした無効な勉強をする時間で、択一式のテキストを正攻法で読んだ方が、来年合格できる可能性が高くなります。

本試験の雰囲気なんて味わえない。

管理人はこの記事で、こう述べています。

「試験の雰囲気を味わう」と言いますが、結局のところ、模試で先ほど説明したような手が震えるなんてことはありません。

模試と同じく、お試し受験でも手が震えるなんてことはありません。

お試し受験で本試験の雰囲気を味わうことはできないでしょう。

最新の本試験問題を模試の代わりに使えなくなる。

最後になりましたが、これがお試し受験をお勧めしない最大の理由です。

参考記事をもう一度挙げます。

模試との付き合い方

最強の模試

これを見た方にはもうお分かりかもしれません。

重ねてになりますが、お試し受験はお勧めしません。

それは何故か?

最新の本試験問題を模試の代わりに使えなくなるからです。

お試し受験をすると最新の本試験問題が初見ではなくなります。

試験会場の下見

ただし、試験会場の場所は確認しておきましょう。

試験会場に行く途中、道に迷い、受験失格になったというお話を耳にしたことが有ります。

とは言ってもこれは、試験会場が近場にある場合です。令和2年度から試験会場の数が減少し、試験会場に行くのに半日かかるという人も出てくると思います。

その場合は、時間の無駄が目立つようになるため、試験会場の下見は避けた方が良いと思います。その代わり、試験当日は余裕をもってホテルを出発しましょう。

最後に

管理人は、一貫してお試し受験はしない方が良いという意見を持っていますが、お試し受験をお勧めする合格者の方もいます。

この記事では取り上げませんが、そうした意見も参考になるものがあるため、お試し受験をするかどうかは、各自、情報収集して色々な意見を見てから決めましょう。

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